ブルックリンご近所探索・24
アパートから歩いて15分ほどのところにDUMBOと呼ばれる地域がある。ブルックリン橋とマンハッタン橋にはさまれた一角で、DUMBOとはDown Under the Manhattan Bridge Overpassの頭文字を取ったもの。
19世紀末にブルックリン橋ができるまでは、ここにマンハッタンのウォール街と結ぶフェリーのターミナルがあった。周辺は倉庫と工場地帯で、石畳の道にはかつての貨物鉄道の線路が残っている。
ブルックリンの工業が衰退したことで、ここは1960年代まではさびれた地域になり、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のロケで1920年代のニューヨークを再現するのに使われたりした。
1970年代以降、アーティストが倉庫をロフトとして使い移り住むようになり、ここ10年ほどはしゃれたショップやレストランも増えた。廃工場もコンドミニアムに改装され、いまマンハッタンやブルックリンの各所で進行中のジェントリフィケーション(高級化)がここでも進んでいる。写真下の右に見えるビルもコンドミニアムに改装されている。
倉庫の壁の落書き。
写真集と児童書の書店「パワーハウス」や、チョコレートの有名店「ジャック・トレス」は、ここへ散歩に来ると必ず寄る店。買いたい本が次々に見つかるのが悩みの種だ。「ジャック・トレス」のホット・チョコレートも甘いけれど旨い。
ブルックリン橋下の公園では、「ニューヨークシティ・ウォーターフォール・プロジェクト」で人工的な滝がつくられている。
この日はちょっと贅沢をして、橋下の「リバー・カフェ」でランチを。
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コメント
The River Cafeか、懐かしいな。
日本から来たお客さんを、昼間は見物に、夜は、初花かなにかで、軽く日本食、そして最後に連れて行くのが、いつもRiver Cafeだった。
店内の話し声、きびきびと動くウエイター、ブルックリンブリッジから聞こえる連続的なタイヤのこすれる音、ヘリコプターが、音も無く飛び交い、たまには水上飛行機が離着陸する水しぶきが見えたり、対岸のビル群の煌々とした窓の灯り。夜も止まらないNYを感じる場所だった。
行き帰りのアクセスが、夜は若干心配だったが、今はどうなんだろうか。
投稿: 店主 | 2008年7月 4日 (金) 08時45分
映画、「ワンス・アポン~」なんですね~。
そうなんです!この雰囲気ですね。
大好きな映画です。
「セント・オブ・ウーマン」で盲目役のアル・パチーノがフェラーリを運転するのもこの写真の雰囲気と似ているような。。。
リバーカフェ素敵なお店ですね。私も10年前に行きました。
変化の激しいこの時代、健在であることがちょっとうれしいです。W
投稿: 812SH | 2008年7月 4日 (金) 11時43分
>店主殿
今も夜のアクセスは良くないね。マンハッタンからだと、車がないと地下鉄駅から人通りの少ないところを10分ほど歩かなきゃならない(車のない人間が行くところじゃないってことか)。僕のアパートまでは歩いて20分ほどで、まあここでディナーを食べると1カ月の生活費の数日分を使ってしまうから、夜に来ることは少ないけど。
>812SHさま
そうなんです、この一帯、「ワンス・アポン」の雰囲気がまだ濃厚に残っています。街角からふいとデ・ニーロが顔を出しそうな。
ここに限らずブルックリンは古い街並みがそこここに残っていて、今でもよく映画のロケに使われます。ブルックリン生まれのスパイク・リーの事務所は私のアパートから数分のところにあり、彼の映画にはたいていブルックリンが出てきますし。
投稿: 雄 | 2008年7月 5日 (土) 01時59分