10番街を歩く
(10番街と32丁目の交差点)
チェルシーへギャラリー回りに行った帰り、時間があったので10番街をダウンタウン方向へ歩いてみた。
にぎやかな繁華街の5番街や7番街と違って、マンハッタンの西の端、ハドソン河にほど近いあたりを走る10番街はしゃれた店があるわけでもなく、人通りも少ない。歩いて楽しい通りではない。
(10番街と14丁目の交差点)
かつてここには「ハイライン」と呼ばれる高架鉄道が走っていた。
チェルシーには精肉工場が集中していたから、港からここへ肉などを運んだ貨物専用鉄道で、1934年に完成し1980年に廃線になった。小生の知る限り、かつて何本もあったマンハッタンの高架鉄道のうち現在でもその跡が残っているのはここだけだ。
数年前、ジョエル・スタンフェルドが撮った「ハイライン」跡のカラー写真を見たことがある。高層ビル群の間を雑草の生い茂った廃線が走っている風景は、廃墟の都市を感じさせる。映画『I Am Regend』のイメージの源泉のひとつはこの写真じゃないかと思った。
いま、元「ハイライン」は公園として再開発されつつある。高架の遊歩道になるらしい。現在は工事中で、高架に上がってみることはできない。
(グリニッチ通り)
廃線は10番街からミート・マーケットを通りぬけて、グリニッチ通りを走る。この交差点はガードが撤去されている。よく見ると不思議な風景。
これが跡をたどれる南端。ここから先は廃線が見つからなかった。
話の前後が逆になったけど、チェルシーのギャラリーでは、写真専門の「シルバースタイン」でユージン・スミス展をやっていた。
「スペインの村」から「硫黄島」「水俣」まで代表作100点近くのヴィンテージ・プリントが展示されている。小生、こんなにたくさんのスミスのヴィンテージを見るのは初めてで、その見事なプリントに圧倒された。
写真史の教科書に載っている名作がそこらじゅうに展示されている。「ボブ・ディラン」などのポートレートも素晴らしい。小生の頭の中では歴史的存在として整理されていたスミスの生々しいリアリティを再認識させられた。
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コメント
ユージン・スミス見たいな!
展示即売(?)はしていなかったの?レプリカとかポスターとか。
ところで、なぜ「ボク」から「小生」に変わったんですか?ボクの方が、本人っぽいような。
投稿: aya | 2008年7月 1日 (火) 21時03分
僕もニュープリントがあれば買おうかと思ったんだけど、ニュープリントもポスターもありませんでした。ヴィンテージだと1枚ウン百万の単位でしょうね。
お、気がつきましたか。「僕」のほうがやはり「本人ぽい」でしょうかね。
ブログを始めて3年になりますが、その間に「僕」を「私」「小生」に変えようとしたことが2度あります。ジジイが「僕」もないもんだと思って。でもその度に、「僕」のほうがしっくりくるので元に戻すことを繰り返してる。今回も、そうなるかな。
投稿: 雄 | 2008年7月 2日 (水) 08時21分