南部へ・「三日月」号の旅 2
ゲインズビル付近(ジョージア州、午前8時)。
目覚めて最初に気づいたのは、窓の外の緑が深く、そして濃くなっていたことだ。昨日、線路の脇に広がっていた緑は雑木林のような風情だったけれど、いま目にしているのは森と言うほうが当たっている。
いよいよディープ・サウスと呼ばれる地域に入ってきたからだろう。
もうひとつ気づいたのは、土が目立った赤くなったこと。赤土は亜熱帯から熱帯に多い粘土質の土と言われている。
こんなふうに森林が伐採されると赤土が露出してくる(それが雨で海に押し流され、サンゴ礁の死が問題になっているのが沖縄)。ここの森は何のために伐採されたんだろう。
アトランタ(ジョージア州、午前9時)。フィラデルフィア以来、久しぶりに超高層がそびえる都会を遠くから眺める。
バーミングハム付近(アラバマ州、午後12時半)。こういうのを南部の風景って言うんだろうな。
タスカルーサ(アラバマ州、午後2時)。こんなに煙突が何本も並んでいるのは何の工場だろう。アラバマは鉄鋼や製紙業が盛んらしいけど。左のタンクからすると製紙工場?
タスカルーサ駅付近。炎天の線路脇をアフリカ系の男が歩いていた。列車は2時間近く遅れているので、汽笛を激しく鳴らしながらスピードを上げている。
メリディアン付近(ミシシッピ州、午後3時半)。ミシシッピに入って、線路脇に沼地が見えることが多くなってきた。これも南部の典型的な風景だろう。
ジム・ジャームッシュが監督した『ダウン・バイ・ロー』はニューオリンズが舞台で、町の周囲に広がる深い森と、暗い沼地が印象に残る映画だった。あの風景に、だんだん近づいてくる。そういえば、この映画のトム・ウェイツ、ジョン・ルーリー、ロベルト・ベニーニの3人組は絶品だったなあ。
メリディアン駅(ミシシッピ州、午後4時)。中央で笑っているのが小生が乗った車両の担当乗務員。食事の案内をしてくれたり、冷房がきついと言うと毛布を持ってきてくれたり、とても親切に世話してくれた。
午後8時半。クレセント号は30時間余りの旅の果てにようやく終着駅に近づいてきた。ニューオリンズの北に広がるポンチャトレイン湖が見えてくる。
ポンチャトレイン湖の残照。幻想的な光景に息を飲む。列車が2時間近く遅れたせいでこの瞬間に出会えたと思えば、遅れにも感謝したくなる。でもハリケーン・カトリーナのときにはこの美しい湖が牙を剥いた。
ニューオリンズ駅(ルイジアナ州、午後9時半)到着。食堂車で同席した、カトリーナでニューオリンズを離れ久しぶりに帰ってきたというアフリカ系のおばあちゃんと別れの挨拶をし、駅を出る。
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コメント
シャーロットを過ぎて、アトランタやニューオリンズといったディープ・サウスまで来ると、つくづくアメリカの国土の広さを実感するのではないですか。私は各々の都市は訪れたことがありますが、あくまで飛行機ですから、途中の空気は知る由もありません。土地の空気を楽しんでください。
また、いろいろ調整したが7月中の渡米は無理。残念。
投稿: 正 | 2008年6月 9日 (月) 12時00分
今回、NYからディープ・サウスへ、そこからテキサス西部の砂漠へ行きましたが、それぞれまったく違う風土で、この国の多様性の基盤はそういうところにあるのかな、と思いました。
来られないとは残念。東京で会おう。
投稿: 雄 | 2008年6月10日 (火) 04時44分