ルーズベルト島を散歩
ぽかぽか陽気に誘われてルーズベルト島へ出かける。
ルーズベルト島はイーストリバーにある細長い島で、マンハッタンとクイーンズに挟まれている。都会の中の島といっても大阪の中之島や博多の中洲みたいな繁華街ではなく、ごく静かな住宅地。特に見るべきものがあるわけでもない。
ただひとつ名物と言えそうなのは、マンハッタンと島を結ぶロープウェーだろう。アメリカで公共交通機関として使われている唯一のロープウェーだそうだ。1976年に開通したというから、そんなに古いものではない。
ロープウェーはクイーンズボロ橋に並行していて、マンハッタン側の乗り口は2ndアヴェニューと60丁目の角にある。料金はいくらだろうと考えながら階段を昇っていくと、地下鉄駅と同じ自動改札があって、共通のパスで乗ることができるのに気づく。ちょっと得した気分。
一眼レフを持った人や記念写真を撮っている家族がいるから、住民の足というだけでなく、観光客もいるんだろう。普通、ロープウェーといえば風光明媚な観光地にあるけれど、都会の上空を通るのが珍しい。エンパイア・ステート・ビルやロックフェラー・センターの展望台ほど高くなく、川の上を適度な高さで移動しながら見る風景が新鮮だ。
ルーズベルト島の川沿いには遊歩道が巡らされている。八重桜が満開だった。対岸はマンハッタン。
島の反対側へ行くと、対岸はクイーンズになる。こちらには高層ビルはほとんどなく、のんびりした雰囲気。
クイーンズボロ橋の橋脚。
クイーンズボロ橋は1909年に建設され、1100メートルの長さを持つ。いかにもアメリカらしく太く無骨な鉄骨で組まれていて、それが独特の美しさになっている。その姿から「鋼鉄の蜘蛛の巣」と呼ばれ、小説(『グレート・ギャツビー』)や映画(『スパイダーマン』など)、音楽(サイモンとガーファンクル)にしばしば登場する。
ルーズベルト島は17世紀以来、島全体が個人所有だったけれど、19世紀にニューヨーク市が買い上げて監獄をつくった。1935年、監獄は廃止されて病院に転用され、1970年代になってからようやく住宅地域としての整備が始まった。
元所有者の古い木造家屋が保存されているかと思うと、病院にしてはやや異様な建物(元監獄だもの)が残っている。ロープウェー駅のそばでは、高級コンドミニアムが何棟も建設中だ。
この島には、人が何十年、何百年と暮らしつづけるなかでつくりあげる町の匂いや空気がまったくない。歩いていてなにか空疎で奇妙な感覚を覚えたのは、そういう島の歴史からきているんだと、案内所でもらったパンフレットを読んで後から気づいた。
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