フィラデルフィアの旅・1
フィラデルフィアへ1泊の旅に出かけた。
今回の滞在の目的はニューヨークで暮らすことだから、これまでニューヨーク州から外へ出たことがなかった。でも半年が過ぎて、さすがに別の街も見たくなってきた。ここからいちばん近い大都市はフィラデルフィアで、列車で1時間半ほど。
マンハッタンのペンシルヴァニア・ステーションからAmtrackに乗り、ハドソン河を越えてニュージャージー州に入ると、すぐに一面の葦原になる。
列車で20分も走れば、窓の外はいかにも田舎町といった風情になり、大都市の周りにびっしりと住宅地が広がる日本とはだいぶ趣きが違う。
フィラデルフィア駅に着いてダウンタウンを望む。今にも雨が降り出しそう。気温は15度。ニューヨークより暖かい。
まずはこの街を訪れる観光客が必ず訪れる独立記念館へ。1776年、アメリカ合衆国独立宣言がここで採択され、憲法制定会議も行われた。もとはステーキ・ハウスだったらしい。
他に独立の際に鳴らされた「リバティ・ベル」、宗主国イギリスに対抗する大陸会議が開かれたカーペンターズ・ホールなど、独立にちなむ史跡がこの「歴史公園」一帯に集中している。
いわばアメリカ合衆国国民(といっても白人)にとっての聖地。週末とあって、田舎から来た風情の白人の老夫婦や家族連れでいっぱいだ。
長髪にケープという当時の服装をした御者の馬車に乗って「合衆国誕生の地」をひとめぐりする人たちを見ていると、アメリカ人(白人)にとってはこれが正史の第1ページで、それ以前の歴史は未開の闇のなか、だからこそこの地が大切なんだろうなと思う。
歴史公園地域の東北に「オールド・シティ」が広がっている。白人の庶民階級が住んだ旧市街。何本か残っている路地の雰囲気がいい感じだ。
エルフレス(Elfreth's)小路は現存するアメリカ最古の住宅街で、18世紀前半に建てられた。当時の労働者階級の住まいで、今も人々が住みながら、きれいに保存されている。
オールド・シティの一角にある「ベッツィ・ロスの家」で。ベッツィ・ロスは独立に際して最初に国旗を縫った女性。13州の星が円形に並んだ星条旗。
彼女が住んだ当時の家が公開されている。3畳ほどの小部屋が4室に地下室が2つ。階段は急で狭い。ジョージ・ワシントン将軍の依頼で国旗を縫ったというから、それなりの身分の女性だったんだろう。それでもこんなに狭い家に住んでいたんだ。
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コメント
雄さん、この日はNYもと〜っても暖かくて
気温は20℃をぐらいまで上がったのですよ。
の復元を見ましたが、
ブルックリンミュージアムにこの時代のロングアイランドにあった裕福なファミリーの家
ベッドから椅子からどれもとても小さな造りでアメリカ人もこの時代は小柄だったのだな〜と思いました。
投稿: yucca | 2008年4月15日 (火) 10時16分
そんな暖かかったのですか。フィラデルフィアもジャケットを着ていると汗ばむほどでした。
列車の窓から見ただけですが、北フィラデルフィアの廃工場の周りに広がる寂れた住宅街も1軒1軒が小さくて、似たような広さなんだろうなと思いました。
投稿: 雄 | 2008年4月15日 (火) 21時55分