BAMカフェ・ライブ
アパートから歩いて7、8分のところにブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック(BAM)がある。もともと19世紀にブルックリン・シンフォニー・オーケストラの本拠地としてつくられたものだが、その後、音楽だけでなくアート全般のブルックリンの中心地として機能してきた。
実際、映画も新旧の名作を上映していて、つい2日前にアンドレイ・タルコフスキーの『アンドレイ・ルブリョフ』を見てきたところだ(モノクロームの画面の美しさに息を飲む!)。階段の壁には『仁義なき戦い』の菅原文太のポスターが貼ってあり、5月に上映されるとのこと。これも久しぶりに大画面で見てみたい。
ここの2階にカフェがあり、金曜と土曜の夜には無料のライブがある。無料といっても、プログラムを見ると若くて実力のありそうなミュージシャンが出演している。数カ月前、ブロードウェーのジャズ・クラブ、イリディウムで聴いたピアニストが若くて生きがよかったので、彼のホームページを見たらBAMカフェに出ていたのを知って残念に思ったことがある。
4日の夜は、Souljazz OrchestraとKobo Townという2つのグループが出演する。
開演の午後9時近く、カウンターで飲みものを買った人たちが思い思いに席に座っている。僕の前のテーブルに家族と座っていた30代のアフリカ系男性が、後で分かったのだがこのライブのキュレーターで、それまで男の子と話していた彼が立ってマイクを握り、グループを紹介してライブが始まる。いかにも手づくりの感じがいい。
Souljazz Orchestraは、キーボード(voも)、アルト、テナー、バリトンの3本のサックス、ドラムス(vo)、女性ボーカルの6人グループ。
アフロ・ビートっていうのかな。紹介のなかでアフリカのジャズ・ミュージシャン、フェラ・クティの名前が出てた。キーボードとドラムスが繰り出すアフリカ的なリズムに支えられて3本のサックスが強烈な短いフレーズを繰り返し、その上に「ピープル」「フリーダム」といったメッセージ性の高い言葉が乗る。 バリトンのぶりぶりと野太い音が身体に響く。
次のKobo Townはカナダのトロントから来た4人のグループ。といってもカナダを感じさせる要素はなくて、カリブ海のカリプソを今ふうに演奏する。トリニダード・トバゴのパーカッショニストがトロントに来たのをきっかけに結成されたそうだ。今日はSouljazz Orchestraのドラムスも加わっての演奏。
リーダーのボーカルはパキスタン系(!)カナダ人で、カリブのカヴァキーニョ(小型ギター)も弾く。ものすごく訛りの強い英語で、ほとんどの曲を英語以外の言葉(独特のクレオール語?)で歌ってるんだと最後まで思ってた。カリプソの南国的なメロディーと、レゲエとはまた違う強烈なベースとパーカッションのリズムが心地よい。
あちこちで女性が踊っている。長髪を後ろで束ねたキュレーターの男性も母親(?)らしい女性と踊りはじめた。
2つのグループともに、メンバーも音楽の中身も国籍など関係なくミックスされ、混沌としたなかから何かが生まれようとしている。ニューヨークで聴くにふさわしい。そんな印象を持った。ここのライブ、また行くことになりそうだ。
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