シダー・ウォルトンを聴く
(ヴィレッジ・ヴァンガードの壁に貼られた出演ミュージシャンの写真)
ピアニストのシダー・ウォルトンを聴きにヴィレッジ・ヴァンガードに行った。
この店に行くのは、実に二十数年ぶり。1980年代に10日ほどニューヨークに滞在したとき、ここと、少し南に下ったところにあった(今はない)スイート・ベイジルに毎日のように通った。当時はこの2軒が、いちばんイキのいいジャズをやっていた。
7番街の地下鉄14丁目駅から下っていくと、ありました、ありました。ドアの上に、昔と変わらない独特の書体のネオンが(「ジョン・コルトレーン・ライブ・アト・ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲイン」のジャケ写ですね)。
細い階段を下ってドアを開けると、三角形の形をした店内も、狭いステージの後ろに赤いビロードのカーテンがかかっているのも昔とまったく変わらない。壁やテーブルは20年前にもいささか古びた感じがしたものだけど、その空気や匂いもそのまま。嬉しくなってしまった。
今はブルーノートやバードランドのほうがおしゃれで、人気のあるミュージシャンが出てるけど、こちらはジャズ好きがジャズを聴くためだけに集まる店、という雰囲気がある。今夜はシダー・ウォルトンの出演とあって店は満員、ぎしぎしに詰めこまれて、昔の山下洋輔トリオあたりが出たときの新宿ピットインを思い出す。
メンバーはシダーのほかにルイス・ナッシュ、デビッド・ウィリアムスのレギュラー・トリオに、ゲストでヴィンセント・ハーリング(as,ts)。ヴィンセントはリーダーとして何枚もCDを出している正統派のプレイヤーだ。
シダー・ウォルトンは昔から強烈な個性はないかわりに、しゃれた、とてもソフトなピアノを弾く。彼を聴くのは3年ぶりだけど、相変わらず年を感じさせないフレッシュな音。「ラヴァー・マン」や、「ラウンド・ミッドナイト」「ルビー・マイ・ディア(だったか)」などモンクの曲を3曲続けて、軽いタッチでさらりと聴かせる。
そんなピアノに対して、ずっと年下のヴィンセントのサックスが熱く、アグレッシブに絡んでいく。ピアノがさらりと受けると、サックスがさらにテンションを上げる。老ピアニストと脂の乗りきったサックス奏者の対照が心地よい。ベースのルイスも、自作の曲で見事なパフォーマンスを見せた。
曲のエンディングに、シダーがさりげなくクリスマス・ソングのメロディをすべりこませて客席がなごむ。
ヴィンセントのサックスという香辛料をちりばめたシダーのピアノに酔って、満員の客席は大満足でした。
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コメント
I'm enjoy your live report from
there very much except,,,
one note,,,r . nush is drumer.
Still give us a good Ny's report.!!
投稿: kome | 2008年12月21日 (日) 13時55分
Thank you for your pointing out.It's my misunderstanding.Now I can't report NY's jazz scene, because I'm not staying in NY any more.
投稿: 雄 | 2009年1月23日 (金) 23時52分