モンク・ピアノ・マラソン
「MONK AT 90」というセロニアス・モンク・トリビュートのピアノ・マラソン・コンサートに行った。
ワールド・ファイナンシャル・センターが主催する無料コンサート。無料といっても出演者は錚々たるメンバーで、クラシック畑の5人を含む19人のピアニストが、4時間半にわたって休みなしでソロ・ピアノを繰り広げる(そういえば、ソロ・ピアノはモンクが好んだスタイルでもあった)。
僕が聴いたことのあるのは、ランディ・ウェストン、シダー・ウォルトン、ジェリ・アレン。この3人を同時に聴けるなんて、こっちにいてもめったにないことじゃないかな。
1人のピアニストの持ち時間は15分。1曲だけの場合もあるし、3曲弾いたミュージシャンもいた。モンクの曲か、モンクにちなんだ曲。もっともクラシックのピアニストでモンクを弾いたのは1人だけだった(18歳の中国のピアニストがシューベルトのピアノ・ソナタを弾いたけど、これはどう考えてもモンクと関係なさそう)。
会場は、ダウンタウンにあるワールド・ファイナンシャル・センターのウィンター・ガーデン。建築好きには有名な場所だね。2つの高層ビルをつなぐ、ガラス張りの巨大なアトリウム(吹き抜け)。なかには大きな椰子が茂っている。
午後5時、西日を浴びながら始まったコンサートは、空が刻一刻と赤く染まっていくなかで進んだ。こういう大都会の風景に、モンクの曲は実によく似合う。
何という映画だったか、ニューヨークが廃墟になるSFで、生き残った主人公が自分の部屋に戻ってひとりモンクを聴くシーンがあった。大した映画じゃなかったけど、そのシーンだけは印象に残っている。
やがて空が暗くなり、対岸の高層ビルに灯りがつく。その風景を見ながらピアノを聴いていると、モンクが都会の音楽であることを改めて感ずる。
ランディ・ウェストンが弾いたのはモンク・メドレーで、もしモンクがいま生きていたら、きっとこういう演奏をするんじゃないかな、という現代的プレイ。
シダー・ウォルトンも、極めつけの名曲「ラウンド・ミッドナイト」を中心にしたメドレー。いつもながら地味なピアノだけど、彼のピアノはじわっと心に沁みこんでくる。
ジェリ・アレンは、ものすごいスピードとパワーでモンクを駆けぬけた。圧倒される。
ほかに、Helio Alves、Frank Kimbrough、Rodney Kendrick、Fred Herschの演奏にも惹きつけられた。
4時間半。こんな充実したコンサートを無料で聴けるなんて素晴らしい。
帰り道、9・11で崩壊した世界貿易センターの跡地脇を初めて歩く。
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コメント
うらやましくて、コメントを書く気力がおきません。
投稿: aya | 2007年10月12日 (金) 08時41分
情報誌「タイム・アウト」を読んでいて、このコンサートを知ったときはは小躍りしました。この雑誌と「ヴィレッジ・ヴォイス」が、今のところ僕の情報源です。
投稿: 雄 | 2007年10月13日 (土) 08時13分