サンフランシスコは坂の町というのは有名だし、数えきれないほどの映画で坂を舞台にしたカーチェイスを記憶しているけれど、実際に歩いてみて、アップダウンがこんなにきついとは思わなかった。
なにしろこの傾斜ですよ。画面で見ると大したことなさそうだけど、海までつづく急坂を車で下ったらすごく怖そうだ。
ビクトリアン・スタイルの邸宅が並ぶ高級住宅地、ノブ・ヒルから海をながめる。
急坂を上り下りしているとケーブルカーが必要なのがよく分かる。

たとえ座席がすいていても、みんな立ち乗り(ライディング・ボード)を好む。
ケーブルカーの終点にあるターンテーブルで電車の向きを変える。

こちらはノブヒルとは対照的なヘイト・アシュベリーの交差点。1960年代のヒッピー・ムーブメントはこの地区から生まれた。

僕自身はヒッピーとは無縁で、どちらかといえば硬派の学生だったけれど、長髪にジーンズといったファッションや音楽、映画など、西海岸のカウンター・カルチャーから受けた影響はやっぱり大きい。
ジャニス・ジョプリン(ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー)のアルバム「チープ・スリル」の名を冠した60年代ふう雑貨・土産物店。
店内には、おお、懐かしのポスターが。
こちらはジョン・レノンの「パワー・トゥー・ザ・ピープル」から店名をいただいたカフェ。
真ん中の家は、ジャニス・ジョプリンが住んでいたアパート。ライオン・ストリート3番地。
ふと思い出したけど映画『ミッドナイト・エクスプレス』の最初のセリフは、「ジャニスが死んだ」だった。1970年10月4日没。27歳。
彼女の「サマータイム」や「ムーヴ・オーヴァー」を聞くと、今でもぞくぞくっと来る。
近くの公園からダウンタウンの高層ビル群を眺める。
サンフランシスコ近代美術館(SF MoMA)。なんと、フィラデルフィアで見逃したフリーダ・カーロ展をやっていたので、さっそく入る。
彼女の、うっすらと髭をはやし、両眉がつながった何枚もの自画像が圧巻だ。土俗とモダン、リアルとシュール、アメリカへの愛と嫌悪が入り混じった作品群。愛人と噂された、メキシコ亡命中のレオン・トロツキーと一緒の写真も展示されている。
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