November 10, 2011

ある民家の肖像・廊下

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a passage way of Japanese wooden house

ずっと中断していたphoto albumの「ある民家の肖像」。デジタル一眼レフを買い換えたので、テスト代わりに再開してみた。

このブログに載せる写真のほとんどはコンパクト・デジカメで撮っていて、一眼レフはたまに仕事で使うだけ。これまで使っていたのはごく初期のモデルで、800万画素と今では携帯のカメラより画素数が少ない。かつてのパソコンと同じで、進化途上のデジタル製品はあっという間に古代の遺物みたいになってしまう。久しぶりに最新のモデルを触ってみると、以前のとはボタンの位置や設定がだいぶ違う。慣れるまで時間がかかりそう。

写真は廊下の奥から玄関を見たところ。右が8畳の居間で左がやはり8畳の寝室。

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縁側の廊下。板張りの上に畳表の薄敷きを敷いている。これからの季節、昼間はここがぽかぽかと暖かい。読書には最高の場所になる。

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December 08, 2006

ある民家の肖像・1 縁側

古めかしい日本家屋に暮らしている。名のある建築家でもなんでもない無名の大工がつくった、変哲もない家。建てられたのは1928(昭和3)年。持ち主は尉官クラスの軍人だったらしいが、戦後、僕の祖父母が買い取った。1970年代に土間だった台所と風呂場を改築した以外、そのまま使っている。数年前に、ぼろぼろになった土壁を塗りなおし、襖を張りかえたけれど、家の構造は建てたときのまま。

ここは東京の北側の通勤圏に属する。大きな産業のない戦前からの住宅地で、ひと昔前まで同じような日本家屋や、玄関横に一部屋だけ洋間をつけた「文化住宅」があちこちにあった。でも今ではほとんど新しい家に建てかえられたり、マンションになってしまった。

そのころから、この家を記録しておいてもいいかもしれないと思いはじめた。昭和初期、首都近郊の中層クラスの民家がどんなものだったか。もっとも自分の暮らしを公開するつもりはないので、生活臭のない部分だけ、少しずつ撮っていこうと思っている。

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この家に暮らしていちばんの贅沢は、縁側に寝転がっていること。日本家屋は夏の暑さをどうしのぐかを最大のテーマにしているので、家のなかを風が通りぬける。夏は涼しいし、真冬でも太陽が出ていればぽかぽかして、午後3時ころまで開け放したまま本を読んでいられる。

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ガラス戸は不用心なんだけど、サッシにする気になれないんだなぁ。

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戦前のガラスは今のような品質ではなく平面に微妙に凹凸があり、風景がわずかにゆがんで見える(2枚目の写真にゆがみが写っている)。それも風情といえば風情かも。


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