October 07, 2020

民家の蕎麦屋

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散歩で手づくりの看板を見るたび気になっていた蕎麦屋にようやく入った。

常盤公園近くの「あまの」。路地のどんづまりにある住宅がそのまま店になっている。ふつうの民家のドアを開け、玄関で靴を脱いで左に入るとダイニングと続きのフローリングの3畳間に4つテーブルが据えてある。3畳間には蕎麦打ち台もある。営業は週に5日で、昼は20食限定。夜は予約があるときのみ営業。何度か来たのだが、いつも閉まっていた。店は上品な老紳士が一人でやっている。おそらく十数年前は実直な勤め人だったんじゃなかろうか。

せいろは一人前で二枚。今日は桧枝岐と会津山都の蕎麦。量も十分で満足しました。

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June 16, 2020

睦神社へ

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散歩で国道17号を東京方向に歩き、別所坂下の交差点を左に折れてしばらく行ったところに睦神社がある。石段を30段ほど上った高台に浅間神社、八幡神社、諏訪神社の社殿が建っている。もともとここには浅間神社があり、明治期に他の神社が合祀されて睦神社と呼ぶようになった。睦神社の森は、縄文時代の植生をそのまま伝えている。


7000年前の縄文海進の時代には、海抜10メートル前後のこのあたりまで海が広がっていた。以前、海抜10メートルを境に色分けした浦和の地形図を見たことがあるが、古東京湾に面するこのあたりはリアス式のような複雑な海岸線が広がっていた。浦和という地名は、かつて浦曲とも記されたという。「浦」も「曲」も遠い過去の記憶を伝えているのかもしれない。


解説板によると、「この神社は大宮台地の南縁の舌状台地上」にあり、シロダモ、ヤブツバキ、ビナンカズラ、キチジョウソウなど暖地性常緑広葉樹が繁茂している。これは「この台地の縁辺にかつて太平洋の暖流が打ち寄せて」いたことの名残りだそうだ。


当時は岬の先端だったろう神社の高台から南を眺めると、荒川に沿って深く入り込んだ湾の対岸に赤羽台、飛鳥山(王子)、道灌山(日暮里)の連なりが見えただろう(今はその崖下を京浜東北線が走っている)。浅間神社は富士信仰だから、その背後には富士山が聳えているはずだ。


東京の縄文地図をつくった中沢新一『アースダイバー』によれば、「縄文時代の人たちは、岬のような地形に、強い霊性を感じていた。そのためにそこには墓地をつくったり、石棒などを立てて神様を祀る聖地を設けた」。今はビル群にさえぎられて何も見えないが、神社の森の彼方に縄文人が見た風景を想像してみる。


 

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February 22, 2018

浦和ご近所探索 ブックス&カフェ常盤

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walking around Urawa, books & cafe Tokiwa

北浦和駅西口にはかつて2軒の書店があった。2軒ともなくなったのは10年くらい前だろうか。新刊書を買うには浦和の須原屋(江戸時代の有名な版元の系統)まで行かなければならない。

最近、カフェを併設した書店「ブックス&カフェ常盤」がオープンした。国道17号、駅前の信号の角。書店としては狭く、冊数は多くないけれど、本好きが選んだらしいセンスのいい品揃えの単行本、文庫、雑誌が置いてある。本を1冊選んで、お茶を飲みながら読むこともできる。いつもジャズが低く流れていて、この日はビル・エバンス。

ここは以前、本屋があった場所だった。聞くと、オーナーは書店をやっていた方の息子さん。このところ北浦和駅前は店を閉める喫茶店もあって、新しい居場所になりそうだ。


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October 12, 2017

浦和ご近所探索・見沼天然温泉

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walking around Urawa, Minuma spa

浦和に天然温泉があるというので行ってみることにした。北浦和駅東口から送迎バスで20分。見沼用水と芝川を越え、園芸農家が点在する林のなかにある日帰り温泉「見沼天然温泉・小春日和」。

内湯と露天がある。露天には非加熱源泉掛け流し(38度)とぬる湯(40度くらい)、あつ湯(42度くらい)。地下1500メートルから湧出するナトリウム・塩化物強塩泉。湧き出るときは無色透明だけど空気に触れて茶褐色になる。飲めないが、湯から手のひらを出して舐めると塩辛い。塩分が多いせいか、湯の肌触りはちょっときしきしする。湯から上がると顔がつっぱる。でも、いつまでもほかほかと温かい。

非加熱の湯に長時間つかり、ぬる湯で仕上げ。湯上りはやっぱり生ビールでしょ。


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May 19, 2016

浦和ご近所探索 ピザ店オープン

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わが家から歩いて5分、北浦和駅近くの国道17号沿いにピザの店「MESSE」がオープンした。4、5人も入ればいっぱいのカウンターのみ。持ち帰りが多そうだ。

500度の石窯で焼くので、入れて90秒で焼きあがる。「手作りの焼きたてをお持ち帰り」が売り。

若い店主はイタリア料理の店で修業して独立したそうだ。

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マルゲリータのSサイズ、390円。生地がもちもちで柔らかい。近くの北浦和公園に持っていってランチもいいか。


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February 06, 2016

浦和ご近所探索 再び敦煌閣

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walking the neighborhood in Urawa

北浦和駅西口線路沿いの敦煌閣へ、先々週につづいて二度目。

甘粛省蘭州出身の夫婦がやっている。ご亭主は蘭州と新宿のヒルトンホテルで中華の修業を積んできた。いったん故郷へ帰ったが、子供さんの教育のために日本に戻ったそうだ。

店構えは町の中華屋だけど、ホテルで修業しただけに味は本格派。

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前回は蘭州牛肉ラーメンを頼んだけど、今日はジャガイモの酢と唐辛子炒め。10年もの紹興酒とともに、いけます。

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高菜と牛肉の炒飯。

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January 25, 2016

浦和ご近所探索 蘭州牛肉ラーメン

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北浦和駅西口の線路際に「敦煌閣」という新しい中華料理店ができたので行ってみる。

ここは以前「茜茜餃子」という店だったところ。長春出身の崔さんがやっていて、とても美味しい水餃子を食べさせてくれたが素人経営の悲しさ、店をたたんでしまった。

敦煌という店名、看板に大書されている「蘭州牛肉ラーメン」の文字が気になった。敦煌も蘭州も、モンゴルや新疆ウィグル自治区に接する内陸の甘粛省にある。

ここはやはり蘭州牛肉ラーメンを頼む。牛を煮込んだスープに色んな香辛料を漬けこんだ特製ラー油がかかり、刻んだ香菜と葱が載っている。具は牛肉に薄切り大根、ゆで卵。麺に腰がある。旨い。

夫婦でやっていて、二人とも蘭州出身だという。まだ日本語がたどたどしい。他のお客が頼んだ料理を見ていると本格的な中華みたいだ。今度は夜に来ていろいろ試してみよう。


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July 19, 2015

浦和のお祭り

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summer festival in Urawa

今日はこのあたりのお祭り。かつては旧中山道沿いに商店がたくさんあったけどそれも減り、この数十年はそれほど盛んとはいえない。わが家も子供が大きくなってからは寄付を出すだけになってしまった。散歩帰り、太鼓の音に誘われて隣の町会のお祭りを覗くと、3人だけの「浦和踊り」がはじまっていた。

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August 31, 2014

浦和ご近所探索 台湾式茶芸

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chinese tea cafe

北浦和駅前の中国茶カフェ「翡翠館」で翠玉茶を楽しむ。

台湾の茶農園で修業したオーナーがお茶を入れながら説明してくれた。翠玉茶は1980年代に新しく生まれた烏龍茶。それ以前、台湾では少数の企業が生産者から茶葉を安く買いたたいて独占的に製造していた。でも李登輝時代に土地改革が行われ、茶葉の生産者が製品までつくれる体制ができた。品評会も盛んになって、いくつもの新しい品種のお茶が開発されることになった。翠玉茶もそのひとつだという。

映画で言えばホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンの台湾ニューウェーブみたいな、新時代を象徴するお茶なんだ。そう思って飲むと、豊かな香りが快い。

 

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August 21, 2014

浦和ご近所探索 鰻

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restaurant of eel

カミさんの誕生日に鰻を食べに出かけた。

浦和には鰻の店がたくさんある。江戸時代から続く山崎屋、天然鰻の満寿屋、若いころは特大の鰻が嬉しかった小島屋、激戦区に新しく参入した浜名など旧浦和市内に20軒ほどの店がある。中仙道の街道筋だったこと、沼地が多かったこと、明治以後は県庁が置かれたり、旧制浦和高校の卒業生が贔屓にしたことなどが理由らしい。僕は浦和と、すぐ近くの川口で育ったので、ガキのころから浦和の鰻は年に一度のご馳走だった。大学を出て都内で働くようになり、あっさりした東京の鰻の味に慣れたけれど、ときどき浦和の濃いたれの鰻が無性に食べたくなる。

今日は一度も行ったことがない店にしようと、県庁近くの中村屋へ。昭和12年創業、昔ながらの和風建築。のれんをくぐり、扉をからからと開けて入る。ここは注文を受けてから裂いて炭火で焼く。出てくるまで40分かかるので、うざくを肴に待つ。

出てきたうな重は、炭火でしっかり焼いてあるので香ばしい。たれは辛くて濃い目。このたれ、焼き具合は浦和でも独特かな。おいしくいただきました。やはり鰻にはうるさい町、静岡県三島育ちのカミさんも「また来たい」と言っておりました。

ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されている。乱獲を止めてきちんと管理し、多少値が張っても特別な日に食べるご馳走として残してほしい。


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