February 28, 2017

金丸重嶺写真展

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Kanamaru Shigene photo exhibition

「写真家 金丸重嶺 新興写真の時代 1926-1945」展に行く(~3月3日、江古田・日大芸術学部芸術資料館)。

昭和初期、新興写真と呼ばれる都市的な表現に刺激され撮影した初期の作品から、花王石鹸などの広告写真、ベルリン・オリンピック、従軍した武漢作戦、国策宣伝用の写真まで。新聞・雑誌の紙誌面やパンフレット、当時のアルバム、オリジナル・プリントやニュー・プリントで構成されている。

興味があったのは、当時、新装して売り出された花王石鹸の広告写真。発売までの予告は金丸重嶺、発売後は木村伊兵衛が撮影している。雑誌や新聞の広告5点が展示されていた。モンタージュを多用したダイナミックな表現。生活感あふれる木村の広告とはタッチが違う。

ベルリン・オリンピックやヨーロッパのスナップははじめて見た。金丸重嶺は写真家としてより書き手として知っていたけど、この写真群は時代の空気を伝えてくれる。

充実したカタログを無料でいただけるのはありがたい。


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November 23, 2016

ロバート・フランク展へ

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Robert Frank'Books and Films,1947-2016'

ロバート・フランク「Books and Films,1947-2016 in Tokyo」展(~11月24日、東京芸術大学美術館)へ。

ドイツの出版社シュタイデルが出版したフランクの写真集と映画。写真はプリントでなく、新聞用紙に印刷されている。フランクのオリジナル・プリントは高価で法外な保険料がかかるため、ふつうの展覧会はほとんど開かれない。そこで大学など教育機関を会場に、世界中でこんなかたちで開かれているそうだ。印刷した写真を会期終了後に廃棄することで、美術品として流通する写真へのある種のメッセージにもなっている。

なるほど、こういう見せ方もあるんだなあ。いろいろ触れるのも楽しい。こんなスタイルでなければフランクの全貌を知ることはできなかったろう。


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July 01, 2016

チャンビ写真展がすごい

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Martin Chambi photo exhibition

東京・池尻のSUNDAY(世田谷区池尻2-7-12)で7月3日(日)までやっているマルティン・チャンビ写真展が素晴らしい。

ペルーの先住民として生まれたチャンビが1920~50年代にかけてガラス乾板やフィルムで撮影したインディオたちの肖像、クスコの町の風景、マチュピチュ遺跡など。人格がにじみ出るポートレート、くっきりした光と影に縁どられた風景には、未開の地に出かけた白人がエキゾチックな風物を採集する視線でなく、インディオが自ら生きる土地と人々に向けた暖かな視線がある。

チャンビに惚れた写真家の白根全氏が身銭を切って開催にこぎつけた。2日午後1時からギャラリートークもある。


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May 18, 2016

J=A.ラルティーグ展へ

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Jacques Henri Lartigue phoro exhibition

埼玉県立近代美術館の「ジャック=アンリ・ラルティーグ 幸せの瞬間をつかまえて」展(~5月22日)へ。

埼玉近美はわが家から歩いて7、8分のところにある。いつも散歩したり孫と遊びに行く公園で、いつでも行けるとのんきに構えていたら気がつけば会期末が迫っていた。

ラルティーグは1970年代に『カメラ毎日』で大々的に紹介され、その後、リブロポートから3冊組の写真集も出た。それらを見てはいたけれど、プリントを見るのははじめて。もっとも、ラルティーグは生涯アマチュア写真家というスタンスを通したから、オリジナル・プリントを見る楽しみというより、どんな家庭アルバムをつくっていたかという興味。

20世紀初めに大型カメラを使いながら、人や車の瞬間の動きを捉えているのが面白い。その頃にカラー写真や映画を撮っているのも初めて知った。タイトル通り、見ていて幸せな感情に満たされる展覧会。


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February 05, 2016

石川竜一展へ

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Ishikawa Ryuiti photo exhibition

『Okinawan Portraits2010-2012』『絶景のポリフォニー』で昨年の木村伊兵衛賞と日本写真協会賞をうけた石川竜一の写真展へ(横浜・横浜市民ギャラリーあざみ野、~2月21日)。

受賞作を中心に、それ以前の「脳みそポートレイト」(人体の合成写真。原点がわかる)、「ryu-graph」(カメラ抜きのフィルム上の表現)、「目窓」(インドのスナップショット)などと、近作の「CAMP」(自然風景)、「考えたときには、もう目の前にはいない」(インスタントフィルムによる日記)。

石川が何を考え、何を表現してきたかがわかる充実した展示でした。

同時開催の「『自然の鉛筆』を読む」は写真草創期の作品と機材。こちらも面白い。

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January 24, 2016

森山大道写真展「通過者の視線」その他

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Moriyama Daido photo exhibition

池袋の東京芸術劇場へ森山大道写真展を見に行ったら、入口を入ってすぐの大型画面でいきなり森山さんに会った。

写真展は1980年代の「光と影」、複写物を拡大して網目のイメージをシルク・スクリーン化した「網目の世界」、彼が10年以上住む池袋をカラーで撮った新作「通過者の視線」の3つのパートからなる。

「光と影」のプリントは何度か見ているが、改めて森山流の「なぜ植物図鑑か」だったんだなあと思う。「網目の世界」は森山大道ならではのフェティッシュな世界。近作の「通過者の視線」では若いころと変わらないエネルギーに脱帽!(~2月20日)

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June 17, 2014

アントワーヌ・ダガタ展

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Antoine d'Agata photo ewhibition

4月に出たアントワーヌ・ダガタ『抗体』(赤々社)は中身も重量もずっしり重い写真集だった。その刊行に合わせて写真展が開かれている(渋谷・アツコバルー、~6月30日)。

スラム、ドラッグ漬けの娼婦、リストカットされた手、独房、死体、リビア内戦、破壊された街、性交、兵士……。ダカタが、自分もその一部としてある暴力と闇の現場。ダガタはマグナムに属する写真家だけど、写真から受け取るのは社会的関心というより、ナン・ゴールディンやボリス・ミハイロフみたいな私的な視線だ。

人間がもつ危うい暴力と官能の衝動を手渡されたような気がした。

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May 23, 2014

「桑原甲子雄の写真」展へ

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Kuwabara Kineo photo exhibition

朝から風も雨も激しかったけど、「桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチの60年」展(~6月8日)へ。この日を逃すとボランティアでお手伝いしている写真展の準備や仕事が忙しくなり、行きそこないそうな気がしたので。浦和から横浜美術館や川崎市民ミュージアムへは1日がかりだけど、世田谷美術館も千歳船橋からバスに乗るので半日がかりになる。

1970年前後、新米の雑誌編集者だった僕が桑原さんを知ったのは写真家としてでなく名編集長としてだった。写真をはじめてみたのは、『東京昭和十一年』『満洲昭和十五年』の2冊の写真集。戦前の東京の町に溶け込むようにして、こんな素敵な写真を撮っていたんだと驚いた。

会場はその戦前の東京、満洲だけでなく、1970年代に再びカメラを持ち東京を撮るようになってからの作品も含め、桑原さんの写真の全体が眺め渡せるようになっている。桑原さんは晩年「写真はホビーとして撮ってきた」という意味のことを語っているけれど、最後まで良きアマチュアリズムを貫いた。どの作品からも、プロフェッショナルの意思的な姿勢でなく、撮るのが好きで楽しくてという気配が匂ってくる。そののびやかな自由さが素敵だ。

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December 21, 2013

三つの写真展

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3 photo exhibitions

今日は写真展を三つ巡る。

まず「名取洋之助展」(~12月29日、日本橋高島屋)。写真家としての名取とプロデューサー・編集者としての名取、両方の仕事を展示する。彼の作品でいちばん好きなのは「アメリカ」。それがたっぷり展示されている。名取がつくった日本工房の仕事、折本写真帳「日本」の実物を初めて見たのが収穫。戦後の『週刊サン・ニュース』もほぼ全冊、展示されている。

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その日本工房が発行した対外宣伝グラフ誌『NIPPON』の写真からセレクトした「『日本工房』が見た日本 1930年代」展(~12月25日、半蔵門・JCIIフォトサロン)へ回る。土門拳らの作品。『NIPPON』は数年前に復刻され、ようやく全貌を見られるようになった。

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昭和の写真から、一転して若い写真家の作品に。「日本の新進作家vol.12 路上から世界を変えていく」展(~14年1月26日、恵比寿・東京都写真美術館)。大森克己、糸崎公朗、鍛冶谷直樹、林ナツミ、津田隆志。「路上」といえばかつてはスナップショットだったけど、いろんな手法で「路上」で作りこんだ写真。林ナツミの浮遊写真はウェブで評判になったことから個展、写真集に結びついた。それぞれに面白いとは思うんだけど、それ以上のものは受け取れなかった。好みが古風なんだろう。


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November 14, 2013

3つの写真展

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3 photo exhibitions

この日は昼から3つの写真展を回る。仕事が立てこんでいて、都心に出る日にはいくつもの予定を詰め込んでしまう。

まず清澄白河のTAPギャラリーで村越としや「March 2013」展(~11月17日)。福島県須賀川出身の村越が故郷を撮影しているシリーズの新作。原発事故の前と後、風景が変わったわけではない。その変わらない風景を撮りつづけている。変わらないとはいえ、見る者は事故のことを考えないわけにはいかない。曇天のもと、山野と町が沈鬱だ。

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竹橋の国立近代美術館でジョセフ・クーデルカ展(~14年1月13日)。一昨年の「プラハ 1968」展も素晴らしかったが、これも充実したレトロスペクティブ。断片的にしか見ていなかった「ジプシーズ」「エグザイルズ」などすべての仕事を見渡せる。劇場の舞台写真から出発したクーデルカは、世界を劇場として見ている(と感じたら、彼自身がそう言っていた)。

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御茶ノ水のお茶ナビゲート&ギャラリー蔵で「<岩波写真文庫>が撮った1950年代」展(~11月18日)。これは6月に銀座・教文館書店で見た「<岩波写真文庫>とその時代」展のほうが充実していた。が、岩波書店の編集者・桑原涼氏が「写真文庫」の技術と人脈の流れを解説したトーク(11月13日)は面白かった。


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