October 14, 2016

カンナ・ヒロコを聞く

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Hiroko Kanna live

ニューヨーク在住のジャズ・シンガー、カンナ・ヒロコのライブを聞きに横浜へ(Bar Bar Bar、10月13日)。新しいCDの発売記念も兼ねたジャパン・ツアー。スタンダードの数々やブルース、ボサノバ。彼女の歌は若い頃から聞いてるけど、すっかり円熟して貫禄すら感ずる。はじめて聞いたアントニオ・カルロス・ジョビン「ウェーブ」がよかった。バックは嶋津健一トリオ。

8年前にニューヨークに滞在したとき、彼女にはすっかりお世話になった。ご主人のギタリスト、ラスともども、ブルックリンやハーレム、いろんなジャズ・クラブに連れて行ってもらった。今年の春、アメリカの市民権を取ったそうだ。

(追記)翌日も都内でのライブに行った(赤坂Tonalite)。この夜は若いノリ・オチアイ・トリオをバックに、5拍子の「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」やウェイン・ショーターの曲に彼女が詞をつけた「フットプリンツ」など新しい試みが面白かった。

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September 05, 2016

東京ジャズ・フェスへ

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Tokyo Jazz Festival

東京ジャズ・フェスティバルの「Jazz ik here」セッションに行く(9月4日、東京国際フォーラム)。

まずはメンバーが30歳そこそこの若いピアノ・トリオ、fox capture plan。ジャズのグルーヴ感をまったく感じさせない(意図的に排除した?)演奏。小生のような年寄りはこれがジャズなの? と言いたくなるが、若い世代にはこれがいいのか。

続いてケニー・バロン・トリオ。こちらはジャズのグルーヴ感のかたまりみたいな演奏。モンクや自作やスタンダード。円熟しきって、それでいて古さを感じさせないのがすごい。ゲストのグレッチェン・パーラトのアンニュイな歌もよかった。

最後はミシェル・カミロと上原ひろみのピアノ・デュオ。チケットを買ったときは上原ひろみトリオだったけど、メンバーが体調不良とかで来日できず、急遽、カミロに声をかけたらしい。カミロはこの1時間のためだけに来日したそうだ。

どの程度リハーサルをやったのか分からないが、最初から息はぴったり。カミロの原色で情感のこもった音と、超絶技巧といわれるカミロの上をいく上原の早く、力のある音と。エリントンの「キャラバン」や「A列車で行こう」では会場が湧きに湧く。トリオよりこちらのほうがお得だった。

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February 23, 2016

嶋津健一トリオを聞く

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Simazu Ken'ichi Trio live

久しぶりに嶋津健一トリオを聞いた(2月22日、青山・Body & Soul)。

このところ加藤真一(b)、今村健太郎(ds)と組んだライブが多い。ふたりは2組ある嶋津トリオの別のトリオのメンバー。よく歌うベースの加藤と、若くて切れのいい今村のドラムスと組んだこの新しいトリオがいちばんいい音を出すと思う。

ライブはいつものように、島津が好きな作曲家の曲とオリジナルとを半分ずつ。エリントン、ミシェル・ルグラン、ジョニー・マンデル、A.C.ジョビンら。

ルグランの「シェルブールの雨傘」は、CDに収められた情感あふれる演奏から一転しスイングしまくって客をのせる。マンデルの「シースケープ」は嶋津好みの美しいバラード。ジョビンの「3月の水」もボサノバのテイストを抜いて現代音楽みたい。と思うと、リストの「愛の夢」をクラシックとは思えない編曲で見事なジャズに。オリジナルの「はらぺこ」はハードパップ。「嶋津の子守歌」は加藤のベースが、かのバードランドの名曲を連想させるメロディを弾く。ピアニスト嶋津の多彩な魅力を堪能しました。


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October 23, 2015

嶋津健一トリオを聴く

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Shimazu Kenichi Trio at Body & Soul

嶋津健一トリオのライブを聴きに表参道のボディ&ソウルへ行く(10月22日)。

このところ嶋津トリオは横浜でライブをやることが多く、東京は久しぶりだったので満席。予約してなかったので、少し待たされカウンター端の席にようやく座れた。

「ハラペコ」「ノクターン」などの自作曲に、ジョニー・マンデル「シースケープ」、A.C.ジョビン「モノクロームの肖像」「三月の海」、ミシェル・ルグラン「シェルブールの雨傘」、ビリー・ストレイホーン「U.M.M.G」など、彼が好きな作曲家の曲をたっぷり。パガニーニの急速調の曲も彼が弾くと嶋津ふうになる。

加藤真一(b)、今村健太郎(ds)のトリオはバラードもいいし、アップテンポの曲もドライブが利いて心地いい。

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July 24, 2015

マッコイ・タイナーとジョー・ロバーノ

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McCoy Tyner & Joe Lovano Quartet

マッコイ・タイナーを聴くこれが最後の機会かな、と思いつつライブに行った(Blue Note東京、7月23日)。ジョー・ロバーノとのコラボも魅力だ。

事前のアナウンスでは、最初にジョー・ロバーノのトリオ、次がマッコイ・タイナーのトリオ、最後にカルテットということだった。でもジョーのトリオが舞台に上がったあと、また拍手が起こる。舞台袖を見ると、マッコイが若い付き人に手を引かれて歩いてくる。77歳、あの巨体は小さくなり、足元もおぼつかない。でも最初からマッコイが弾くとわかって場内が湧く。

歩く姿は老人だけど、ピアノに向かえばマッコイ・タイナーの音は健在だ。1曲目から全開。全盛時の早弾き、流麗なピアノとはさすがに違うけど、若いころよりむしろ力強いタッチ。左手でピアノを打楽器のように叩いてリズムをつくる。かと思うと一瞬、コルトレーンの背後で弾いているのかと錯覚させる音を繰りだす。障害があるのだろうか、右手は時に力強さに欠けるけど相変わらず美しい。

それ以上に素晴らしかったのがジョーのサックス。次々にフレーズが湧いてくる。リズミックに吹いていたかと思うと、いきなり吠える。図太いトーンから、こすれるような翳りある音まで変幻自在。ステージそばの席だったので、2メートル足らずの近さでジョーの音のシャワーを浴びて幸せだった。

マッコイのソロ、ジョーのトリオ2曲をはさんで、最後にカルテットの「イン・ナ・メロー・トーン」まで、久しぶりに興奮した。ベースはジェラルド・キャノン、ドラムスはフランシスコ・メラと若い2人。

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March 29, 2015

嶋津健一トリオ・ライブ

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Shimazu Ken'ichi Trio live

嶋津健一トリオのアルバム「The Composers Ⅲ」発売記念のライブに出かけた(3月28日、横浜・ADLIB)。

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浦和から横浜まで、初めて上野東京ラインに乗る。湘南新宿ラインより数分早いだけみたいだけど、東海道線方面へ本数が増えるのはありがたい。上野-東京間はいつも乗る京浜東北線の隣の線路を走るが、わずかに位置が変わるだけで外の景色が違って見える。

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まずは腹ごしらえ。横浜へ来るとたいてい寄る関帝廟通りの蓬莱閣へ。北京家庭料理の店で、モツのピリ辛炒めが旨いんだなあ。

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前に出た「The Composers」のⅠはミシェル・ルグラン、Ⅱはジョニー・マンデルの曲と嶋津のオリジナルが半々だったけど、今度のアルバムはアントニオ・カルロス・ジョビンの曲と嶋津のオリジナルで構成されている。といってもボサノバは1曲だけ。日本ではあまり知られていない曲を嶋津流のバラード・ピアノで。ベースはいつもの加藤真一、ドラムスは初めて組む橋本学。

嶋津のピアノを堪能しました。アルバムに入ってないけど、数日前に作曲したという「夢、幻、やっぱり夢」がちょっとねじれた美しさでよかった。リクエストでレイ・ブライアント「クバノ・チャント」、中村八大「黄昏のビギン」(!)のおまけつき。


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September 10, 2014

ザ・カルテット・レジェンドを聞く

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Kenny Barron,Ron Carter,Benny Golson & Lenny White Quartet

ケニー・バロン(p)、ロン・カーター(b)、ベニー・ゴルソン(ts)、レニー・ホワイト(ds)の御大4人、確かにレジェンドと呼びたくなるようなカルテットを聞いた(東京・コットンクラブ、9月9日)。

最年長のベニー85歳、いちばん若いレニー65歳。リターン・トゥ・フォーエバーにいたレニーを除けば、オーソドックスなフォービート一筋。4人をつなぐ糸はやはりマイルスだろう。1955年、コルトレーンを擁した黄金のマイルス・クインテットが最初の録音に選んだのがベニーの「ステイブルメイツ」だった。ロンは言うまでもなく60年代マイルス・バンド。ケニーはそのロンのバンドにいたことがあるし、レニーは電化マイルスの『ビッチェズ・ブリュー』に参加している。今日のステージでもベニーが曲を紹介する際、三度もマイルスの名を口にした。

オープニングはその「ステイブルメイツ」。つづいてロン、ケニー、レニーの曲も一曲ずつ。ベニーが抜けケニー・バロン・トリオになって「いつか王子様が」。ケニーのころがるようなピアノが素晴らしい。つづけてロンのベース・ソロで「ユゥ・ア・マイ・サンシャイン」。年を感じさせない若々しい演奏だった。最後はまたベニーの曲に戻り、名曲「ウィスパー・ノット」。ベニーのソロは涙が出そうに美しい。アンコールもベニーの「ブルース・マーチ」。ブレイキー・バンドで聞きなれた耳には、なんとも上品な仕上がり。たぶんこの4人がもう一度組むことはないだろう名人上手が集まって、リラクゼーションの極みみたいな一夜の夢を見させてくれたのでした。


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June 03, 2014

嶋津健一トリオを聞く

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Shimazu Kenichi Trio live

久しぶりに嶋津健一トリオを聞く(5月31日、赤坂・Relaxin')。

林正男(b)、今村健太郎(ds)とのトリオが結成されて2年くらいになるのだろうか。演奏が変幻自在になってきたし、曲も少しずつ変わってきた。特に嶋津のピアノと若い今村のドラムスのインタープレイが素晴らしい。演奏する曲も初期は50年代ハードバップが多かったけど(今もそれはあるけれど)、今日は半分くらいが嶋津の曲、後の半分はジョニー・マンデル、アントニオ・カルロス・ジョビン、ピアソラなんかの曲をやる。

このところ嶋津自身の曲が増えている。バップみたいな曲もあれば、美しいバラードもある。以前のトリオ(オリジナリティーがあり完成度も高かった)では4枚のアルバムを出しているが、そろそろこのトリオでもアルバムをつくるらしい。楽しみだな。


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December 23, 2013

ティル・ブレナーを聞く

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Till Bronner live

今年のジャズの聞きおさめはティル・ブレナーのライブ(~12月24日、表参道・ブルーノート東京)。

ティル・ブレナーといえば、10年ほど前に出たアルバム『ブルー・アイド・ソウル』をいっときよく聞いた。サンプリングやターンテーブルを駆使した現代的ジャズ。マイルスみたいなミュート・トランペットもフリューゲルホーンも実に澄んだ音がして、それが今ふうなバックにはまってストリート感覚がとてもよかった。

今日はティルのトランペットとテナーサックスの2管にピアノ・トリオのクインテット。ピアノとベースは曲によってアコースティックとエレクトリックを弾きわける。

フリューゲルホーンを手に登場したティルはまず「ウィル・オブ・ネイチャー」、次にステージに置いたあったミュート・トランペットに持ちかえて『ブルー・アイド・ソウル』から「42nd & 6th」。口ずさみたくなるようなメロディのヒット曲だから、満員の客はもういい気分になってる。「クリスマス・ソング」をはさんで『ブルー・アイド・ソウル』からメドレー。やはりこのアルバムの曲はいま聞いても新鮮だ。ティルとサックスが吹きまくるけれど、エネルギッシュというよりクール。粋な感じがするのはやはりヨーロッパ・ジャズ。

ティルはエレピを弾きながら歌も披露した。ブラジルの曲ではテナーがフルートに持ちかえていい感じ。アンコールを含めクリスマス曲を2曲やったせいもあって、興奮するというより心地よく酔った夜でした。

バックはマグナス・リンドグレン(ts、fl)、ヤスパー・ソファーズ(p)、クリスチャン・フォン・カプヘンクスト(b)、デヴィッド・ヘインズ(ds)。


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December 07, 2013

嶋津健一Wベース・トリオ

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Shimazu Ken'ichi Double Double Bass Session

国会前で秘密保護法採決に反対する集会に参加した後、地下鉄にひと駅乗って、赤坂で嶋津健一のダブル・ベース・トリオを聞く(12月6日、赤坂・リラクシン)。ベースは正式にはダブル・ベースと言うから、きちんと書くと「ダブル・ダブル・ベース・セッション」。

嶋津のピアノに、加藤真一(右端)、鈴木ひろゆきの2台のベース。ふつうのピアノ・トリオだとピアノが主役になってテーマを演奏し、アドリブに入っていくことが多い。このWベース・トリオはそれだけでなく、ひんぱんにベースがテーマを弾き、ピアノがバックに回る。2台のベース同士の役割は、一方がテーマを弾いて一方がリズムを刻んだり、一方が弓弾きすると一方が指で弾いたり。鈴木は弓弾きが得意みたいで、いい音が出る。嶋津と長年組んでいる加藤のリズミックな音はいつもながら素晴らしい。

曲はビル・エバンスやベニー・ゴルソンの名曲、嶋津と加藤のオリジナル、アントニオ・カルロス・ジョビン、映画音楽「ニュー・シネマ・パラダイス」などなど。3拍子のワルツはジャズ・ワルツでなく、クラシックのワルツに近くなったり、いわゆるジャズにこだわらない。すべての曲に共通するのは嶋津の美意識。


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