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May 05, 2026

『LOST LAND/ロストランド』

Lostland2

『LOST LAND/ロストランド』は、ミャンマーで迫害されているロヒンギャ族がバングラデシュ、タイ、マレーシアと安住の地を求めて密航する旅の映画。劇映画ではあるけれど、綿密な取材と、演ずるのはすべてロヒンギャ難民、現地での撮影と、ドキュメンタリー的な要素をたくさん持ち、そこから生まれるリアリティに息をのむ。なにより主役である9歳のソミーラ、5歳のシャフィの姉弟(実際に難民の姉妹)が素晴らしい。演じているとは思えない自然さで笑い、遊び、歩き、逃げ、見つめる。その瞳の力が心に残る。彼らが旅する海や雲や稲妻、マレー半島の緑も生々しい。夜のショットは余分な照明を使ってないのだろう、何かが動いてるのが分かるだけの暗闇で、これもまた印象的。

バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプから、姉弟とその叔母が密航業者に金を払って家族のいるマレーシアを目指す。小さな船でベンガル湾を南下し、タイ南部に上陸して陸路マレーシアに入るルート。海上で嵐に見舞われ、上陸時に巡視船に見つかり、国境の金網を突破したところで警備兵に発砲される。更なる金を要求され密航業者に監禁されたり、殺される者もいる。一行は散り散りになり、姉弟は二人きりになる。とはいえ二人が遊ぶショットが何度も挿入される。かくれんぼや「だるまさん転んだ」の、僕らが子供の頃やったのと同じ遊び。それが冒頭、旅の途中、ラストシーンと出てきて映画の芯になっている。難民可哀そう、という映画になっていないのは、そんな視線があるからだろう。

脚本・監督・編集を務めた藤元明緒を中心に、スタッフは日本、マレーシア、ヨーロッパ、資本は日本、マレーシア、ドイツ、フランスとボーダーレス。映画の中身も、製作のあり方も、これからこういう映画が増えていくんだろうな。

 

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