「密やかな美 小村雪岱のすべて」展
「密やかな美 小村雪岱のすべて」展(~6月7日、千葉市美術館)へ。
小村雪岱(こむら・せったい)は明治から昭和初期に活躍した日本画家。日本画・版画だけでなく、書籍の装幀家、挿絵画家、舞台装置家でもあった。当時は画家というより泉鏡花の小説『日本橋』の装幀で名を知られ、邦枝完二の連載小説『お傳地獄』挿画などで評判を取った。雪岱の魅力を一言で言えば、モダンなデザイン感覚あふれた日本画、だろうか。
好きなのは版画。単純な構図に切り詰めた静かな明治の風景は見飽きない。美人画は鈴木春信を現代的にしたような。小生、元単行本編集者ということもあり、鏡花の『日本橋』や『星の歌舞伎』の装幀・見返しには惚れ惚れする。こんな単行本つくってみたいものだ。連載小説の挿画は、凸版印刷術の発達もあり、単純な線と大胆な墨と白の対比を生かして見事。画家というより、メディアの特質を自分の表現にとりこんだ仕事に雪岱の本領があったんだろうな。


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