大ゴッホ展
福島県立美術館で開かれている「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」(~5月10日)へ日帰りで出かけた。展覧会はこの後、東京でも開かれるが、大阪の友人から昨年の神戸展が「ものすごく混んでた」と知らされたのと、東京の知人が福島へ行って見てきたと知り、ゴールデンウイークや会期末が近くなる前にと出かけた。市街はずれの山裾にある、広々と開けた気持ちのよい美術館。平日午前中とはいえ入場するのに10分ほど並び、会場はかなり混んでいる。
クレラー=ミュラー美術館所蔵品で構成される展覧会は2期に分かれ、今回はゴッホの画業の前半。オランダ時代、パリ、そしてアルルへ来たあたりまで、時間と場所を追って年代別に展示されている。これまでゴッホの絵はいろんな場所でいろんな機会に見ているけれど、これだけまとまったものを系統的に見たのは初めて。それが面白かった。
印刷で何度も見ている「じゃがいもを食べる人々」は油彩でなくリトグラフ。オランダ時代の農民や職人を描いた作品は画家の誠実な人柄を想像させる堅実なものだけど、後のゴッホを思わせる大胆なデフォルメも現れはじめている。パリへ出て印象派の画家たちとの交流があり、それまで暗く地味な画面が色彩豊かに変貌する。花や風景の官能的な色使いに、ゴッホはこんな色も使うんだと新鮮だった。南仏へ移住し、「夜のカフェテラス」をはじめとするアルルの絵に漂う幸福感。晩年の絵を知っているだけに痛ましくもある。二十数年前、カミさんとアルル・フォトフェスティバルへ行ったとき、描かれたカフェテラスや郊外に復元された跳ね橋を訪れたのを思い出した。
常設展では、ゴッホに影響を受けた日本の画家の作品も。岸田劉生、村山槐多、白河出身の関根正二らの作品が展示されていた。来年開かれる後期の展覧会も神戸、福島、東京開催。さて次はどこで見ようか。


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