「幕末明治の絵師たち」展
「激動の時代 幕末明治の絵師たち」展(~12月3日、六本木・サントリー美術館)へ。黒船から維新に至る幕末は、政治的動乱だけでなく西洋のさまざまな画像や絵画のスタイルが入ってきて、絵画の世界も「激動の時代」だった。その影響を受けて様々な挑戦をした幕末明治の絵師たち、狩野一信、谷文晁、安田雷洲、国芳、芳年、小林清親、井上安治らの絵画や版画が集められている。
初めて見たのは安田雷洲。銅版画の作品が面白かった。「東海道五十三駅」など、広重で見慣れた五十三次が日本の風景でありながら異国風な味わい。銅版画の技法や雰囲気を持ち込んだ肉筆の風景画も迫力がある。このところ見る機会が多い国芳や芳年を楽しみ、最後に置かれた小林清親、特に「柳原夜雨」(写真、明治14年)に見入ってしまう。雨に光る千住・柳原、遠くに洋館が小さく見えるのが粋だなあ。
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