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August 24, 2023

「山下清展」

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知人に勧められて「山下清展 百年目の大回想」(~9月10日、新宿・SOMPO美術館)に出かけた。

山下清は本や雑誌、映画やドラマで何となく知った気になっていたけど、作品を直に見たことはなかった。いやあ、驚きました。色紙を小さくちぎり貼り合わせて大画面を構成する、気の遠くなるような作業でつくられた彼の貼絵の魅力は印刷や画面では伝わらない。

戦前の物資が乏しい時代には切手を使い、何十片もの色紙をパターン化して重ね影や輪郭を表現したり、こよりで立体感を出したり、そのディテールに惚れ惚れし、見入ってしまった。しかも細部の超絶技巧だけでない。山下は人気が出た時代に「日本のゴッホ」と呼ばれたようだが、ゴッホには風景や花があのように見えたように、山下には風景や花がこう見えたのだと人を納得させるオンリーワンのオーラが、特に若い放浪時代の貼絵から感じられる。

人気が出てタレントのようにメディアに登場したこと、今で言うアール・ブリュットふうな作品だったこと、貼絵という西洋画や日本画とは別のジャンルだったこともあって、山下清は今も大衆的人気はあるが美術の世界での評価は低いらしい。でも実物を見ればそういう先入観もふっとぶ。生誕100年の回顧展として、少年時代の昆虫の貼絵から人気が出た後の油彩、ペン画、陶芸作品、遺作の「東海道五十三次」まで網羅されている。教えられなければ見逃しているところだった。夏の終わりに得した気分。

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