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December 19, 2022

「美しきシモネッタ」展

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日本にボッティチェリのテンペラ画が1点だけあるそうだ。その1点だけを展示する「美しきシモネッタ」展(竹橋・丸紅ギャラリー、~1月31日)に行ってきた。

1点だけではあるが、画家や当時のフィレンツェの状況、モデルとなった女性、彼女がモデルではないかと言われるボッティチェリの他の作品(「ヴィーナスの誕生」など)、19世紀に再発見されてからの所有者の変遷(イタリア、フランス、イギリス、ドイツではヒトラーの総統美術館)、そして丸紅がサザビーズで落札、その後、真贋が問題にされた経緯など資料と共に解説されていて、最後にこの絵と対面すると、そうかそういう歴史があったのかと感慨がある。堪能しました。

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December 18, 2022

奥武蔵の山々

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よく晴れ、北風が吹いて寒い。荒川土手方向へ歩いていくと、新幹線の高架の向こうに奥武蔵の山々がくっきり見える。土手まで行くと、富士も見えるだろう。いよいよ本格的な冬到来といった日。

がんで闘病していた年上の親類がコロナに感染して亡くなった。インフルエンザ並みと言われるが、死亡率は世界のトップクラスで高止まりし、高齢者や病気もちにはまだまだ怖い病気だ。

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December 16, 2022

『オリーヴ・キタリッジ、ふたたび』を読む

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エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジ、ふたたび』(早川書房)の感想をブック・ナビにアップしました。

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December 06, 2022

『文藝別冊 中井久夫』

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8月に亡くなった精神科医・中井久夫を特集した『文藝別冊 中井久夫』(河出書房新社)が出ている。もともと5年前に刊行されたものだが、追悼原稿5本を加えて増補新版として出版された。中井の書くもののファンとして、さっそく買い求めた。中井は統合失調症を専門とする精神科医として、現場で患者を診ながら多くの本を執筆した。精神医学の専門書だけでなく、名文の誉れ高いエッセイ、ギリシャ現代詩の翻訳と幅広い。僕が最初に読んだのは1982年に出た『分裂病と人類』(当時は統合失調症をそう呼んでいた)で、精神の病を人類史のなかに位置づけた壮大な文明論。これを読んで興奮し、当時在籍した『朝日ジャーナル』誌で特集を企画して話を聞きに行ったのは懐かしい思い出だ。

新たに書かれた追悼原稿では、同じ精神科医である斎藤環のがよかった。中井の書くものは体系的・俯瞰的というよりギラリと光る発想や断片が散りばめられたものだが、そんなスタイルを、中井が統合失調症者の言語を「接ぎ穂の乱舞」と名づけたのを中井自身に返して「接ぎ穂の乱舞」と呼んでいるのは納得。その斎藤環と作家・松浦寿輝の対談も、精神医学と文学を往還した中井の立ち位置を明らかにする。中井自身の文章や対談も再録されていて、僕が担当した浅田彰氏との対談「幻のアレキサンドリア」が収められているのは嬉しかった。編集者として自画自賛になるけれど、いま読んでもとても面白い。

NHK・Eテレの「100分 de 名著」でも今月は中井久夫を取り上げている。まだ読んでないのもあるから、久しぶりに本棚から取り出すとしようか。 

 

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December 03, 2022

西川口チャイナタウン

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川口に行く用事があったので、西川口チャイナタウンでランチ。

西川口は風俗街として有名だった。ところが十数年前、摘発が続いて風俗店の多くが撤退。西口駅前は空店舗が多くなった。町を再活性化させるいくつかの試みがあったらしいが、結局は中国系の料理店が増えて西川口チャイナタウンと呼ばれるようになった。川口市は中国人はじめアジア系外国人が多いことで全国有数の自治体だから、当然の成り行きだったかもしれない。横浜や神戸のような洗練された中華でなく、東北地方の地の料理。中国だけでなく、ベトナム、タイ、韓国の料理店や食材店もある。中国簡体字だけの看板を掲げた店もあるから、日本人客がいなくとも商売できているんだろう。アジアの雑然とした国際都市の趣。

今日は蘭州料理の店へ。店のお勧め过油羊肉拌麺(油かけ羊肉入り混ぜ麺)を頼む。手打ちの太麺、羊肉と野菜で醬風味の餡に辣油をかけまわしたもの。なにかで漬け込んだのだろう、羊肉が柔らかくて美味。4組ほどの客がいるが、日本語はまったく聞こえてこない。しばし中国東北地方にでもいる錯覚を味わった。

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