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November 10, 2022

「闇と光」展

221110

最近、明治以降の版画の展覧会が目につくと行くようにしている。見ていてなぜか、すっと身体になじむ。今日は「闇と光 清親・安治・柳村」展(原宿・太田記念美術館。~12月18日)へ。明治初期の木版画家・小林清親を中心に、それに続く井上安治、小倉柳村の作品が展示されている。

「闇と光」というタイトルどおり、江戸から東京へと変わった都市の夜の闇と提灯やガス灯にゆらめく光、夕方や明け方の光と色の織りなす風景が素晴らしい。小林清親は洋画と写真術を学んだという。江戸の浮世絵のような線を用いず面と色で画面をつくりだしているのは、そのためだろうか。隅田川にかかる橋がいくつも描かれている。江戸そのままの木造の新大橋。はじめての鉄の橋となった吾妻橋。小生が育った川口の善光寺が対岸に描かれた一枚は、雨中の晴れという空の微妙な色合いを映して見惚れた。

先日見た、大正・昭和の川瀬巴水らの新版画は、こういう光と影の表現を踏まえて、もういちど江戸浮世絵の世界に帰ろうとしたんだろうか。展覧会は前後期に分かれ、全点が入れ替えられるという。また来なければ。ポスターは小倉柳村「湯島之景」。

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