新宿から原宿へ
まず新宿で、野町和嘉写真展「シベリア収容所1992」を(OMシステム・ギャラリー。~10月24日)。ソ連崩壊直後に、今となれば奇跡的に撮影された写真群だ。刑事犯が収容されているハバロフスク近郊の矯正労働収容所。時計を盗んだだけで何年もの刑に服している若い女性もいる。男も女も、内にどんな絶望を隠しているのか知らないが、カメラに淡々とその姿を晒している。こういうきっちりしたドキュメンタリーを久々に見た。
原宿へ回って、太田記念美術館で「はこぶ浮世絵 クルマ・船・鉄道」を見る(~10月26日)。江戸~明治初期の浮世絵に描かれた「はこぶ」絵。大井川などの渡し。江戸の水運の船。橋を行きかう大八車や棒手振り。文明開化の蒸気機関車と人力車。絵師は春信、北斎、広重から小林清親まで。小林清親は印刷でしか知らなかったが、現物を初めて見た。11月1日から始まる次の企画展「闇と光 清親・安治・柳村」も面白そう。
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