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September 08, 2022

おおたか清流の記憶

Ootaka

おおたか清流が亡くなった。

おおたか清流を一度だけ、聞いたことがある。2008年5月5日。ニューヨークのブルックリン・ミュージアム。

このときブルックリン・ミュージアムでは「MURAKAMI(村上隆)」「UTAGAWA(歌川派の浮世絵)」という二つの日本関係の企画展が開かれていた。ここは毎月第1土曜の5時から展示が無料になり、色んな催しが開かれるから、夜遅くまで人々でいっぱいになる。なるほど美術館はこういうふうに人々に開かれるんだ、と分かった。この夜は「おおたか静流コンサート」があり、溝口健二の映画が上映された。当時、僕はブルックリンに住んでいたので勇んで駆けつけた。

おおたか静流は尺八のデュオをバックに「冬の花火」や「林檎の木の下で」といった持ち歌を披露した。夜のブルックリン、尺八の伴奏で聞く彼女の歌は、遠い異国から届いたわらべ唄みたいだった。

69歳、がんだったという。年下の人の訃報を聞くのはつらい。

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