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August 29, 2022

「田中保とその時代」展

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わが家から歩いて10分の埼玉県立近代美術館で「田中保とその時代」展をやっている(~10月2日)。田中は埼玉の出身。20世紀初頭に移民としてシアトルに渡り、働きながら画家として身を立てた。後にパリに移住して人気画家となったが、日本の画壇に受け入れられず、彼の地で没した後は忘れ去られた。再評価が始まったのは1970年代からだという。彼のシアトルとパリ時代の作品が展示されている。

シアトル時代は当時の流行であるキュビズムに影響された習作的なものも多いが、人物画で後の画風を彷彿させる作品もある。パリに移ってからは肖像画や裸婦が多い。特に裸婦像はちょっと東洋的なエロティシズムがあって、それが受けたんだろうな。同時代にパリで活躍した藤田嗣治やシャガールも展示されていて、彼らのように絵画史に残る際立った個性ではないかもしれないが、自分の世界をつくりあげた日本人画家がいたことを知った。

近くのうらわ美術館では「芸術家たちの住むところ」展を先週までやっていた。寺内萬治郎、須田剋太、瑛九ら浦和に住んだ画家たちの、地元を描いた作品など。どちらの展覧会もコロナ禍の苦肉の策で所蔵作品を中心に企画したのかもしれないが、こんな画家もいたのかと、地元の住民として楽しめた。

 

 

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