『文学界』のジャズ特集
文芸誌を買うのは何年ぶりだろう。いや、十数年ぶりかもしれない。『文学界』の「JAZZ×文学」。150頁ほどの「総力特集」。ジャズ好き、あるいはジャズを演奏する作家と、小説やエッセイも書くジャズ・プレイヤー二十数人が登場している。
3つの対談が面白かった。山下洋輔vs菊地成孔。菊地が、ジャズと文学が交わった2大文化圏として「筒井康隆・山下洋輔文化圏」と「村上春樹文化圏」を挙げてるのは、両文化圏に惹きよせられた身として納得。奥泉光vs平野啓一郎。60代の奥泉も40代の平野も、マイルス~コルトレーンと王道からジャズに入ってるんだな。岸政彦vs山中千尋。ベーシストでもある岸が、若き才能・山中のピアノの秘密を聞き出してる。
小説は筒井康隆と山中千尋の短篇2つ。エッセイは岸政彦。巻頭は、スタン・ゲッツについて村上春樹のロング・インタビュー。これだけ分量のある特集は、さすがに読みごたえがある。特集以外では映画『スパイの妻』をめぐって黒沢清(監督)、濱口竜介(脚本)、蓮實重彦の鼎談がよかった。ああ、早く映画館やライブに行きたい!
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