« 在監者合葬の墓 | Main | 『武器としての「資本論」』を読む »

July 16, 2020

ピエール瀧の3本

20190808oht1i50106l

(『ロマンスドール』のピエール瀧)

この数カ月、たまたまピエール瀧が出演する映画とドラマ3本をDVDと配信で見て、改めていい役者だなあと思った。映画は『ロマンスドール』と『宮本から君へ』、ドラマはネットフリックスの『全裸監督』。

ピエール瀧が麻薬取締法違反で逮捕されたのが去年の3月。直後からNHK大河『いだてん』の代役撮り直し、出演番組・CMの打ち切りから、果ては過去出演作の放映中止、参加するバンド・電気グルーブのCD回収、配信停止にまで及んだ。『宮本から君へ』は、内定していた芸文振(文化庁管轄)の助成金を取り消されている。その過剰反応ぶりはその後、コロナ禍で同調圧力のもと自粛警察が出現するような空気を先取りしていたように思える。

先の3本は、有罪判決(執行猶予)確定後に撮り直しせず公開されたもの。『ロマンスドール』(タナダユキ監督)は下町のラブドール製造工場の社長。『宮本から君へ』(真利子哲也監督)は主人公が仕事で付きあう企業の部長。『全裸監督』(武正晴総監督)はレンタルビデオ店の店長。強面だったり、人情派だったり、いかにも怪しげだったり、いろんな顔を見せて、いずれも脇役だけど独特の存在感が光る。3本とも力のこもった作品で、2本の映画のヒロインは蒼井優。それぞれの監督の代表作とはならないだろうけど、十分に楽しめる。

違法薬物を使うのはもちろん犯罪だ。でも国連総会でも決議されたように、薬物依存に必要なのは懲罰ではなく治療や教育であるというのが最近の世界の流れ。ピエール瀧が依存症を克服しスクリーンに復帰する日が来るのを待ちたい。

|

« 在監者合葬の墓 | Main | 『武器としての「資本論」』を読む »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 在監者合葬の墓 | Main | 『武器としての「資本論」』を読む »