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December 03, 2018

「竹端さんを偲ぶ会」

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この一カ月、葬儀と偲ぶ会が三つ続いた。漫画家・エッセイストの末永史さんを偲ぶ会(兼出版記念会)。カメラ雑誌をやっていたときの先輩で、その後も日本写真協会で共にボランティアをしていた堀瑞穂さんの葬儀。書籍部門にいたころの後輩、竹端直樹くんを偲ぶ会。なかでも20歳近く年下の竹端くんが亡くなったことはショックだった。

竹端くんが書籍をつくっていたのは、ほんの数年間。それ以前は週刊グラフ誌の編集部にいて、意欲的な特集記事を何本も書いていた。中国語を勉強し、中国や東アジアに対する関心も深めていた。書籍部門にいた僕ももともと雑誌育ちなので、そんな時代感覚を単行本の世界に持ち込んでほしいと思い、隣の週刊誌編集部にいたOくんと二人に声をかけ、書籍部門に来てもらった。

二人とも放っておけば自分で勝手に企画を立て、実現させる能力の持ち主。やがて二人は次々に本を出し始めた。竹端くんが企画したものでいちばん記憶に残っているのは李小牧『歌舞伎町案内人365日』。在日中国人で「歌舞伎町案内人」を名乗る李さんの新宿日記だ。ちょうど歌舞伎町に中国人が進出しているとニュース面をにぎわしていた時期。変わりゆく街の体温や皮膚感覚が、李さんという個性を通じてびんびん伝わってきた。中身ばかりでなく、ブックデザインも素晴らしい。大判のペーパーバックのつくりで、分厚い400ページ。カバーは夜の歌舞伎町での、著者のスナップショット。カバーを取ると表紙から裏表紙まで真紅で、小口(裁断した断面)は黄色という大胆な造本だった。

その後、二人は新聞の編集局に異動して、それぞれに活躍していた。竹端くんは「東アジアの窓」「中国出版英雄烈伝」など、いくつもの連載企画を手掛けた。最近署名記事を見かけないなと思っていたら、病魔と闘っていたとは……。

会では雑誌や新聞の同僚・先輩がそれぞれに竹端くんの思い出を語った。李小牧さんも挨拶し、最後にOくんが竹端くんとの長い友情を語った。冥福を祈りたい。


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