『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』 55歳、どこまで突っ走る?

Mission: Impossibule- Fallout(viewing film)
映画の撮影現場で監督が撮影開始を告げる「ヨーイ、ハイ!」は、英語なら「Action!」だ。クリント・イーストウッドが映画監督に扮した『ホワイトハンター、ブラックハート』で、最後のセリフは「Action!」だった。
アクションが映画の原型的な魅力であることは言うまでもない。無声映画時代、バスター・キートンのアクロバティックなアクションは超人的で、崖をころがり落ちたり走る列車の屋根を走ったり、アクション映画の原点みたいなものだった。1980年代にフランス映画社が連続公開したのを見たんだけど、そのころはまたジャッキー・チェンの全盛時代だった。小学生だった息子と見た『プロジェクトA』や『ポリス・ストーリー』は、竹竿ひとつでビルの上階から飛び降りたり、これまた身体を張ったアクションの連続で子供と一緒に興奮した。
『ミッション・インポッシブル』シリーズは、VFXによってどんなインポッシブルなアクションも可能になったデジタル時代に、あえて生身の身体を張ることを売りものにしてきた。それがかつての二枚目、55歳のトム・クルーズというのがおかしい。『フォールアウト』はその6作目。
物語にそってアクションするというより、アクションのためにストーリーがつくられている感がある。撮影中、トムがロンドンでビルから跳んでくるぶしを骨折、6週間休んだというおまけつき。wikipediaによるとその間、8000万ドル払って役者とスタッフを他の映画に取られないよう拘束したそうだ。もっともこの金は保険でまかなわれたそうだから、トムが事故に遭う可能性は織りこみ済みということか。
「陸上選手さながらのビルジャンプ」「ヘリコプターにしがみつき、落下するアクション」「2000時間の飛行訓練を経たヘリコプター操縦」「高度7620mからのヘイロージャンプ」と売りものシーンがつづくなかで、いちばんすごいのは最後の断崖絶壁でのヘリコプター対決。まさかこれ全部実写じゃないよね。VFX使ってるよね。と思いながら、どこまで本当にやってるんだろうとはらはらしてしまう。設定はカシミールだが、ノルウェーの有名な絶壁で撮影したらしい。
パリ市街の狭い道路でのカーチェイスも、実際に撮ってるんだろうなあ。すごい。
イーサン(トム・クル―ズ)を中心に、メカ(と笑い)を担当するベンジー(サイモン・ペッグ)、ルーサー(ヴィング・レイムス)、美女のスパイ、イルサ(レベッカ・ファーガソン)とチームが固定されてきて、いかにもシリーズものらしくもなってきた。今回はシリーズ3作目に出てきた婚約者のジュリア(ミシェル・モナハン)も再登場する。レベッカ・ファーガソンとミシェル・モナハンが同じタイプでどことなくトムの元妻ニコール・キッドマンと雰囲気が似てるのは、トム(プロデューサーでもある)好みの美女ってことなんだろうか。
アクション映画にしては上映時間が長すぎて(切れなかったんだろう。148分)、ロンドンのシーン、ちょいと中だるみする。個人的には、ジェレミー・レナーが相手役になった『ゴースト・プロトコル』(レア・セドゥも女殺し屋で出てきたし)と『ローグネイション』のほうが好みかも。
とはいえ猛暑には、やはり何も考えないで楽しめるこういう映画もいい。監督は前作につづいてクリストファー・マッカリー。「フォールアウト」は公式HPでは「余波」と訳してたけど、プルトニウムの争奪戦だから「死の灰(fallout)」のことかな?

Comments
トムの女性の選球眼がもしかしてこのシリーズ最大の目玉、かもですね(笑)
Posted by: onscreen | September 16, 2018 09:51 AM
ウッディ・アレンみたいに惚れた女ばかり(しかも個性派)を起用するのもどんなもんかと思いますが、トムは美女好みですから見ていて気楽に楽しめます。なかでレベッカ・ファーガソンが私の好みです(笑)。
Posted by: 雄 | September 17, 2018 09:45 PM