大阪で姜在彦さんを偲ぶ会
去年11月に亡くなった姜在彦さんを偲ぶ会に出席するため、日帰りで大阪へ行ってきた。
呼びかけ人は大学の教え子が中心らしいので「姜在彦先生」だけど、僕は30年前に知りあった雑誌『三千里』編集委員時代からカンジェオンさんとしか呼んだことがないので「先生」は落ち着かない。学問的な話をしたこともないし。今里新地や歌舞伎町でお酒を飲んだ記憶ばかり。
印象に残っているのは十数年前、済州島の旅に誘っていただいたこと。済州島はカンジェオンさんの故郷。親類の方の車で町の市場、旧日本軍の特攻艇「回天」が基地にした洞窟、民俗村、海女の村、琉球の御嶽のような本郷堂(ポンヒャンダン)などを案内していただいた。いつも穏やかなカンさんだけど、故郷の空気を吸ってカンさんはひときわくつろいで見えた。
同じテーブルに座った教え子の方々の話では、若い研究者の仕事をほめ、発表する媒体を紹介し、優れた先生だったとのこと。東アジア近代史のなかでの朝鮮半島の位置と独自性を明らかにしたカンジェオンさんの仕事を、もう一度ちゃんと読んでみたい。
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