「怖い」2本立て
昨日の午後は「怖い」映画と展覧会をつづけて。
まずは日比谷でアメリカ映画『ノクターナル・アニマルズ』。この作品については後で書くつもりだけど、デヴィッド・リンチふうな味つけのスリラー。現実と仮構世界と、両方で「怖い」物語が展開する。好きだなあ、こういうの。
雨が降り空が暗くなってきたなかを上野へ行き「怖い絵」展(~12月17日、上野の森美術館)。人気があると聞いていたが、入場まで20分待ち。ロングセラーになった中野京子『恐い絵』を基に、彼女が作品を選んだらしい。18~19世紀の写実的な絵画を中心に、テーマにあわせ有名無名とりまぜて集めている。
神話や聖書の物語。悪魔や地獄や妖精。歴史画。戦争や処刑。恐怖を忍ばせた崇高美学など。目玉であるドラローシュ「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は恐怖とエロティシズムが同居して見ごたえがある。フューズリ「夢魔」(よく印刷で紹介されているのは別バージョンらしいが)はこんな小さな絵だったんだ。
混雑する会場には若いカップルもたくさん。「怖~い」「グロ」「エロいね」と囁いてる。この時代の絵画は職人(工房)の仕事も多く、教訓や宗教的教えや歴史的事件の絵解きだったり、今でいえば写真やイラストやポルノでもあったから、芸術を鑑賞するというよりいろんな物語のなかに置いて楽しむのは正解かも。
Comments