「驚異の超絶技巧!」展へ
「驚異の超絶技巧!」展(~12月3日、日本橋・三井記念美術館)へ行ってきた。キャッチは「明治工芸から現代アートへ」。超絶技巧による七宝、陶磁、木彫、牙彫、金工、漆功などの明治工芸と、その技巧を受け継いだ現代アートが100点以上展示されている。
浮き彫りというより猫の頭や菊の花の立体を貼りつけたような大型花瓶(明治)と、蛇の頭が飛び出した蛇皮模様の七宝ハンドバッグ(現代)が並んでいる。皿の上に骨が露出した秋刀魚の食べ残しが載った、信じられないような一木作りの木彫(現代)。うっとりするような色彩のアジサイ模様の七宝花瓶(明治)もある。
明治工芸はほとんど輸出産業のない時代、主に輸出用につくられた。江戸の技巧を受け継ぎながら、欧米の美意識に合わせたために異胎をはらんだというか、過剰で超リアルで、時にグロテスク。職人技の極致。現代作家のものは、その技術を最新テクノロジーも使ってさらに発展させ、アートの目で捉えなおした。騙されたり、うなったり、思わず笑ってしまったり、あまりのリアルにぞっとしたり。楽しい。
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