『あゝ新宿』展とシンポジウム
Oh! Shinjuku exhibition & symposium
久しぶりに母校へ行って、『あゝ新宿─スペクタクルとしての都市』展(~8月7日、早稲田大学演劇博物館)と、関連企画「新宿1968-69 ドキュメンタリー/ハプニング/ジャズ」に参加した(7月8日、大隈記念講堂)。
演劇博物館は小生が在籍した学部のそばにあったのに、毎日通っていた時代には授業の合間に一度しか覗いた記憶がない。若いというのは無知なもんです。
館正面には、褌一丁で新宿の街頭に立つ若き唐十郎が。展示室に入ると、山下洋輔トリオが1969年にバリケード封鎖された早稲田で演奏したライブ録音「DANCING古事記」のジャケットと音楽が迎えてくれる。ピットイン、DIG、DUGなどジャズ・ライブハウス、ジャズ喫茶の写真。新宿駅西口フォークゲリラと群衆の写真。アートシアター新宿文化のパネル脇で流れる大島渚『新宿泥棒日記』の映像。状況劇場、天井桟敷、現代人劇場の公演ポスターと写真。磯崎新の幻の新都庁案、祝祭広場のデザイン。
あの時代の新宿に通った者として、混沌とした熱気を思い出した。もっといろんな資料があるだろうに、展示会場が狭いのが残念。
大隈講堂ではまず、テレビ映像3本を上映。田原総一朗が東京12チャンネル時代につくった「バリケードの中のジャズ(「DANCING古事記」と同じ出来事)」「新宿ラリパッパ」の2本と、歌舞伎町から生中継という空前絶後の試みで混乱した「木島則夫ハプニングショー」。
続いて山下洋輔が登場し、47年ぶりに大隈講堂のピアノに向かう。短いけれど力のこもった演奏2曲。シンポジウムは田原総一朗、山下洋輔、五箇公貴(テレビ東京プロデューサー)、松井茂、宮沢章夫、岡室美奈子(司会)。仕掛けとやらせがやがて本物の出来事になるという田原のドキュメンタリー論と、仕掛けの実例が面白い。
今日は黒ヘルとか中核とかいう言葉に解説がいらないのがすごい(学生諸君は後で調べてね)、という言葉に会場が沸く。
こういう展覧会とシンポジウムが無料なのは大学ならでは。もっと仕掛けてほしいな。
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