ザ・カルテット・レジェンドを聞く
Kenny Barron,Ron Carter,Benny Golson & Lenny White Quartet
ケニー・バロン(p)、ロン・カーター(b)、ベニー・ゴルソン(ts)、レニー・ホワイト(ds)の御大4人、確かにレジェンドと呼びたくなるようなカルテットを聞いた(東京・コットンクラブ、9月9日)。
最年長のベニー85歳、いちばん若いレニー65歳。リターン・トゥ・フォーエバーにいたレニーを除けば、オーソドックスなフォービート一筋。4人をつなぐ糸はやはりマイルスだろう。1955年、コルトレーンを擁した黄金のマイルス・クインテットが最初の録音に選んだのがベニーの「ステイブルメイツ」だった。ロンは言うまでもなく60年代マイルス・バンド。ケニーはそのロンのバンドにいたことがあるし、レニーは電化マイルスの『ビッチェズ・ブリュー』に参加している。今日のステージでもベニーが曲を紹介する際、三度もマイルスの名を口にした。
オープニングはその「ステイブルメイツ」。つづいてロン、ケニー、レニーの曲も一曲ずつ。ベニーが抜けケニー・バロン・トリオになって「いつか王子様が」。ケニーのころがるようなピアノが素晴らしい。つづけてロンのベース・ソロで「ユゥ・ア・マイ・サンシャイン」。年を感じさせない若々しい演奏だった。最後はまたベニーの曲に戻り、名曲「ウィスパー・ノット」。ベニーのソロは涙が出そうに美しい。アンコールもベニーの「ブルース・マーチ」。ブレイキー・バンドで聞きなれた耳には、なんとも上品な仕上がり。たぶんこの4人がもう一度組むことはないだろう名人上手が集まって、リラクゼーションの極みみたいな一夜の夢を見させてくれたのでした。
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