鬼子母神の御会式
Oesiki Festival at Zoshigaya community in Tokyo
目白で友人と飲んでいたら、外からにぎやかな太鼓の音が聞こえてくる。なにかと思ったら、雑司が谷鬼子母神の御会式(おえしき)の行列だった。
竿の先に掲げた提灯を先頭に、纏が振られ、法被の老若男女が団扇太鼓を叩いて行進する。太鼓のリズムが独特で、心を浮き立たせる。白い和紙を枝垂桜のように飾りつけた、高さ4メートルほどの「万灯」が夜目に鮮やかだ。
話を聞くと、御会式は江戸後期からこの地域で催されている伝統行事らしい。毎年10月、日蓮上人の忌日の前後3日間に行われる。町内ごとに万灯講があり、講ごとに万灯をつくって鬼子母神まで練り歩く。
鬼子母神はインドの女神。子供を取って食うので人々に恐れられたが釈迦に帰依し、安産・子育ての神として崇められるようになった。多聞天などの四天王と同じように、もともと仏教以前からある古代神だったのが仏教に取り入れられたらしい。日本でも平安朝から鬼子母神信仰があり、雑司が谷鬼子母神(法明寺)は室町時代に開山された。雑司が谷は江戸の町域からはずれた村だったから、こういう地域の行事が残っているんだろう。
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