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July 30, 2013

ゴーヤの収穫

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picking a Bitter Melon

ゴーヤがようやく大きくなって、今年初めての収穫。ほかに小さな実が4~5個ついている。8月いっぱい、糠づけやサラダ、チャンプルーで楽しめそう。


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July 28, 2013

豪雨・雷鳴のライブ

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Yamashita Yosuke & Watanabe Sadao live

「日比谷野音90周年記念 真夏の夜のJAZZ」と題された山下洋輔スペシャル・クインテットと渡辺貞夫グループのライブに出かけた(7月27日、日比谷野外音楽堂)。

30度を超す真夏日、怪しげな黒雲、天気予報は夕立に注意。肌にまとわりつく蒸し暑い空気は、豪雨と雷のなかで演奏が行われたVSOP田園コロシアムの伝説のライブが頭を過ぎる気配だった。

まだ空も明るい5時半。山下洋輔トリオ(坂井紅介<b>、本田珠也<ds>)が登場して演奏を始めたときは、まだ青空が見えていた。2曲目で、アメリカから帰国したばかりの寺久保エレナ(as)が登場して自作の「ブルキナ」を吹きはじめる。へえ、こんな60年代ふうフリージャズをやるんだ。僕も初めてだったが、若いだけに一本気な音。初代トリオの中村誠一をちょっと思い出した。舞台袖では菊地成孔と渡辺貞夫が顔をのぞかせ彼女の演奏を聴いている。聴きながら、出番を控えた菊地は腕と脚のストレッチ。

3曲目は寺久保が引っ込んで菊地(ts)が登場。山下がMCで「誰でも知ってる曲をやります」と言うから何かと思ったら、菊地が吹きはじめたのは「大きなのっぽの古時計」。いやあ、いい音してるなあ。メロディをまずはストレートに吹き、次第にフェイクしながら咆哮に至るのはいつものこととはいえ、興奮します。

続いて寺久保、菊地(as)の2管で山下の曲「スパイダー」。山下がソロをたっぷり取る。若いころは山下のピアノに興奮するのが気持ちよかったけれど、最近は山下の音が実に美しいことに気づくようになった。こちらが変わったのか、山下自身も変わったのか。心地よく酔う。

休憩の後は渡辺貞夫グループ。山下洋輔と渡辺貞夫では同じジャズといっても演っている音楽がまったく違うけど、かつて山下が短期間とはいえ渡辺貞夫グループのピアニストだったからこそ実現した企画なんだろう。

ナベサダを最初に聴いたのは1968年、大塚の小さなジャズ・クラブ、ジャズ・ギャラリー8だった。アメリカからボサノバを持ち帰ったナベサダだけど、その日はストレート・アヘッドなジャズだった。菊地雅章<p>、稲葉国光<b>、渡辺文男<ds>のカルテット。1曲だけソロでビートルズの「イェスタデイ」をやり、メロディをそのまま吹いたのが実によくて記憶に残った。

それ以来、折にふれて聴いているけれど、渡辺貞夫の音は変わらない。音色がよくて、優しくて、温かくて。歳を取った今もその音は健在で嬉しくなる。今日のメンバーは塩谷哲<p>、養父貴<g>、コモブチキイチロウ<b>、ドラム本田珠也<ds>に、アフリカから来たンジャセ・ニャン<per>。アフリカ・テイストの乗りのいいジャズだ。

バラードをやります、といって吹きはじめたあたりから、急に冷たい風が吹き、黒い雲がたちこめてきた。やがてぱらぱらと雨が落ちてくる。強い風に周囲の樹木が騒ぎはじめ、木々のざわめきのなかに貞夫さんのソウルフルなバラードが響く。

次の曲は貞夫さんがアフリカでつくった「サンゴニ」。雨が熱帯のスコールのような土砂降りになる。雨具の用意をしていなかった客が席を立つ。スタッフがあわててピアノや機材にシートをかけてまわる。でも大部分の観客は用意の合羽を取り出して聴きつづけた(僕もゴアテックスの上下で完全武装)。稲妻が光り、雷鳴が轟く。いよいよ伝説のVSOP状態になってきた。

貞夫さんが「大分ひどくなってきましたね。でもやりたい曲もあるし。どうしましょう」と問いかけると、客席はそろって「ゴー!」。ハイになった前列の何人かが踊りはじめた。稲妻が光り周囲が青白くなった瞬間、ばりばりとすさまじい音。近くに落雷したらしい。でも音楽が一瞬も揺らがなかったのはさすが。ギターとベースはエレキだからヒヤッとしたかもしれない。

雨はいよいよ激しい。再び貞夫さんが「アンコールも準備してあるんだけど……」とMCすると、ここでも観客は「ゴー!」。全員がステージに上がった。異質なふたつのグループが一緒にやるのは、当然のことながらストレートなジャズ。バップふうな曲(タイトル思い出せない)を全員がテンション高く演奏し、雨と雷にかかわらず8割方が最後まで残っていた観客も大満足でした。

家へ帰ってニュースを見たら、秩父宮ラグビー場でやっていたNEWSのコンサートは中止になり、70人以上の少女が低体温症や過呼吸で救急車のお世話になったとか。こちらはしっかりアンコールまでやり、もちろん救急車も来なかった。この差はなんなんだろう。

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July 24, 2013

万座の雲

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the clouds of Manza Spa

白樺の緑の上を流れる雲。

朝から雲の流れが速い。晴れたかと思うと曇り、黒い雲が来たと思うと、また晴れる。一日、バスを乗り継いで横手山へ行くことにした。

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渋峠まで行ったが雲が低い。晴れると北アルプスがきれいだというが……。

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標高2305mの横手山頂。渋峠からリフトで上るのだが、寒いくらい。一瞬、青空が見えた。

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志賀高原を望む。晴れると日本海も見えるらしい。

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バスを乗り継いだ白根山で湧く雲。

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July 23, 2013

今年も万座の湯

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visiting Manza Spa

今年も万座温泉にやってきた。硫黄の匂いが懐かしい。

カミさんの湯治につきあってだけれど、この1年、僕も腰と膝、肘の不調に悩まされているので、こちらも湯治気分。さっそく露天の「極楽の湯」につかる。

この湯は乳白色の温泉の質といい、ロケーションといい、文句のつけようがない。標高1800mの冷たい風が頬をなでるのを感じながら湯につかっていると、これぞ温泉の醍醐味という気になってくる。風呂の周りの草が刈られ、硫黄が吹きだす山裾の風景がよく見える。

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内湯の「苦湯」。昔から人気ナンバーワンの湯だ。柔らかな湯肌、濃い乳白色、湯治の効能も抜群という。やや熱めのことが多いが、今日はぬるめで長時間つかれる。

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「苦湯」の隣にある「姥湯」。いつもぬるめの湯で、長時間入るにはここに限る。他の湯は源泉が80~90度あるので水を加えて温度調整しているけれど、この湯は源泉100パーセント。

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深夜の「苦湯」。深夜とはいえ、人がひとりも入っていないのは珍しい。

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こちらも深夜の「極楽の湯」。

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宿のすぐ下にある「姥湯」の湯畑。硫黄が吹きだしているので立ち入り禁止。

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湯畑のそばを流れる川も硫黄で白く染まっている。

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July 14, 2013

ナスの収穫

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a harvest of an eggplant

今年はじめて植えたナスの実が大きくなった。初の収穫。さっそく糠漬けにした。

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今年はミョウガもまずまずの出来。

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July 12, 2013

『ローマでアモーレ』 ウッディの欧州都市巡り

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To Rome with Love(film review)

『ローマでアモーレ』って邦題は駄洒落にもなってないけど、原題も『To Rome with Love』。『ロシアより愛をこめて(From Russia with Love)』の二番煎じみたいで、ウッディ・アレンらしくない。と思っていたら、ウッディ自身が、「このタイトルは嫌いだ」と語っているという(wikipedia)。

ウッディは最初、この映画に『バップ・デカメロン(Bop Decameron)』というタイトルをつけた。bopはジャズでいうbebop(1940年代のチャーリ・パーカーらの革新的ジャズ)のbopで、もともと「踊る」といった意味だから、さしずめ「踊るデカメロン」。「デカメロン」も、この映画が14世紀の艶笑喜劇から発想されたことを明らかにして、とてもいいタイトルだと思う。

ところがこれにクレームがつき、それならとウッディが次につけたタイトルが「Nero Fiddles」。暴君ネロがローマに火をつけ、街が燃え上がるのを見ながらバイオリンに興じた(fiddle)という伝説から取ったタイトルらしい。でもそれが映画とどう関係しているのか、よく分からない。当然のことながらこれにもクレームがつき、結局、「To Rome with Love」という平凡なタイトルに落ち着いたそうだ。

そんな経緯があったせいか、『ローマでアモーレ』は傑作だった前作『ミッドナイト・イン・パリ』から一転、ゆるい(あまり良い意味じゃなく、文字通りゆるい)コメディになってしまった。

もっとも、部分的にウッディらしい面白さはある。映画は4つの物語が同時進行するんだけど、なかでもウッディ自身が役者として登場するパートは笑える。

ローマに観光に来たアメリカ娘がイタリア男と恋に落ち、速攻婚約して、両親を呼び寄せる。父ジェリー(ウッディ・アレン)は引退したオペラ演出家。母フィリスは精神分析家。ウッディは、男の父で葬儀屋を営むジャンカルロ(ファビオ・アルミリアート。オペラ歌手)がシャワーを浴びながら歌うアリアの美声に惚れ込む。リタイアし「僕はオジマンディアス鬱」とか称しているジェリーはジャンカルロをデビューさせようと画策するが、ジャンカルロはシャワーを浴びながらでないとうまく歌えない。で、舞台上にシャワー台を設けるという新奇な演出でオペラ「道化師」が演じられる。

ジェリーは「時代を先取りした(逆に言えばひとりよがりな)演出家」という設定で、妻のフィリスが、ジャンカルロのデビューにこだわる夫の深層心理を辛らつに分析するあたりは、いつものウッディ映画らしさ。「風呂で歌う歌はうまく聞こえる」という世界共通(?)の現象をうまく使っているのが面白い。

建築家ジョン(アレック・ボールドウィン)が、ローマで知り合ったジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)と恋人、その女友達(エレン・ペイジ)の三角関係に発展しそうな恋をあれこれ指南するのは、昔の『ボギー、俺も男だ』の再現。ジョンが現実の男ではなく、いつの間にかジャックにしか見えない幻想の人間になってしまうのも『ボギー』と同じだけど、アレックにボギーのような格好よさとノスタルジーはない。

もうひとつのパートでは、無名のローマの事務員レオポルド(ロベルト・ベニーニ)が、なぜか分からないが突然有名人になってしまい、朝なにを食べたか、どう髪を切ったかまでレポーターに追跡される。とまどい逃げ惑う平凡な男をロベルトが演ずるおかしみはあるけど、マスコミを皮肉った話にしてもどうってことない。

4つ目のパートのは、田舎からローマに出てきた新婚夫婦。妻が外出してる間に、ホテルの部屋になぜか高級娼婦アンナ(ペネロペ・クルス)が出現したことからてんやわんやの騒動。一方、妻は妻で、道に迷ったあげく憧れのスターに出会い、ホテルへ連れ込まれる。露出度高く身体の線もあらわなペネロペが、堅物の夫とその親族を挑発するあたりが、定石どおりだけど見どころ。

とにかく役者が豪華で、ローマの名所(『ローマの休日』『甘い生活』『終着駅』などの舞台)が次々に出てくる観光映画でありイタリア映画賛歌だから見ている分には飽きないし、それなりに楽しめる。もっとも、事務員レオポルドがなぜ有名になったのか、高級娼婦アンナがなぜ出現したのか、理由は説明されないのがシュールな面白さになっているわけでもない。ウッディ流のアクが乏しく、薄味のローマ万歳、ローマっ子万歳みたいな映画になったのは肩透かしを食った感じ。

ロンドン、マドリッド、パリとつづいてきたウッディのヨーロッパ都市巡りも、今回ははずれかな。

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July 11, 2013

きゅうりの初収穫

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harvesting a cucumber

庭のきゅうりが1本だけ大きくなって、初の収穫。さっそくサラダにして食したら、みずみずしくてうまい。取ってすぐ食べる。家庭菜園の醍醐味です。

今年はきゅうりとミニトマトの自給率50%、ゴーヤは100%を目指しているが、果たしてどうなるか。

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July 08, 2013

街の空洞化

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increasing vacant houses in the town

人の高齢化に伴って街の高齢化(空洞化)も進む。わが家から歩いて数分以内に、知っているだけで4軒の日本家屋の空き家がある(もう1軒あったけど、数日前に前を通ったら更地になっていた)。

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そのうちの1軒はほんのご近所で、老夫婦が住んでいたが2人とも亡くなり、北関東に住む息子が時々車でやってきては雨戸をあけ、空気を入れ替えている。

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大谷石の立派な塀も物悲しい。

どの家も似たりよったりの事情を抱えているんだろう。昔の日本家屋は個室として使える空間が少ないから、2世帯が住むには無理がある(わが家も障子と襖をはずすと8畳・6畳・6畳がぶち抜きになる)。だから子ども世代は別の家に住んでいて、親が住めなくなると、選択肢といえば土地を売るか、ここに新しい家を建てるか。でも、すぐにはそうできない訳があったり。

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浦和は戦前からの住宅地なので、古い日本家屋がたくさん残っている(わが家も築85年)。ということは、空洞化がまだまだ進むということだろう。わが家だって例外じゃない?

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July 06, 2013

『欲望のバージニア』 30年代アメリカの闇

Lawless
Lawless(film review)

『欲望のバージニア(原題:Lawless)』の舞台になっているのは1931年のバージニア州フランクリン郡。31年といえば禁酒法の時代で、その時代を描いた代表的な映画といえば、シカゴのギャング、アル・カポネとエリオット・ネスの死闘を描いた『アンタッチャブル』を思いだす。一方、1930年前後といえば大恐慌のさなかでもあり、その時代を素材にした映画といえば、恐慌と大砂嵐で故郷を捨てた農民がカリフォルニアをめざす『怒りの葡萄』が思い浮かぶ。

この映画には、密造酒を売りさばくギャングが出てくるし、シカゴから流れてくるダンサーも出てくる。町を襲う大砂嵐と、西をめざすのだろう街道にたたずむ移動中の人々のショットも挟まれる。『欲望のバージニア』は『アンタッチャブル』と『怒りの葡萄』をつなぐ、この時代のもうひとつの物語だ。主役はバージニアで密造酒を製造した伝説的な3兄弟。兄弟の孫が作家となり、祖父と兄弟たちを描いた小説が原作になっている。

ハワード(ジェイソン・クラーク)、フォレスト(トム・ハーディ)、ジャック(シャイア・ラブーフ)のボンデュラント兄弟は、フランクリン郡の山中で密造ウイスキーを製造している。新任の取締官レイクス(ガイ・ピアース)が密造を見逃す代償に分け前を求め、仲間の業者はそれを飲むのだが、次兄フォレストをリーダーとするボンデュラント兄弟だけは拒否する。3兄弟とレイクスの「戦争」が始まる。

やられたらやりかえす不屈の信念を通すフォレスト、酒好きで粗暴な長兄ハワード、ひ弱だが頭脳派で野心もある末弟ジャックという3人が、それぞれアメリカ人の典型的人物像を背負ってキャラ立ちしている。なかでも次兄フォレストを演ずるトム・ハーディの男の色気は、男の僕から見ても惚れ惚れするほど。

でもフォレストは女にはうぶで、シカゴから流れてきて兄弟の酒場で働くマギー(ジェシカ・チャスティン)が心を寄せているのに、行動に出ない。マギーが深夜、服を脱いでフォレストの部屋へ行き、「女をあまり待たせないで」と言うあたりの闇の艶っぽさが素敵だ。

一方、ジャックは福音派(バージニアは米国バイブル・ベルトの東端)の牧師に隠れて彼の娘バーサ(ミア・ワシコウスカ)を口説く。ギャングのフロイド(ゲイリー・オールドマン)と取引して金を稼いだジャックが最新型フォードV8ロードスターを手に入れ、バーサをドライブに誘って森のなかで黄色いドレスをプレゼントするあたり青春映画の味わい。ジャックの仲間で脚の悪いクリケット(デイン・デハーン)は優秀な技師。この美少年が殺されて、それまでためらいがちだったジャックが復讐に立ち上がるのが、定石とはいえ物語のキーになっている。

秋には全山が紅葉するバージニアの美しい自然と、そのなかで繰り広げられる暴力の対比が見事だ。フォレストが取締官レイクスの手下に襲われ喉を掻き切られるシーン、その復讐に兄弟が犯人を襲い局部を切り取って壜詰めにしレイクスに届けるあたりの血みどろの描写はすさまじい。

美しい自然と血みどろの背後に流れるのがカントリー調の音楽。音楽(脚本も)はニック・ケイヴで、だから当時の正調カントリーでなく、ブルースやゴスペル、それにパンクがかった現代的カントリーが効果的に使われている。

監督はオーストラリア出身のジョン・ヒルコート。自然風景の美しさとノワールな画面が溶けあったアクション映画に仕立てられているのが憎い。役者もみんないいし。前作『ザ・ロード』はコーマック・マッカーシー原作で見たかったけど見逃した。機会があれば見てみよう。


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July 03, 2013

喪服で逗子海岸

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Zushi beach

喪服を着て逗子海岸へ行くという奇妙な1日。

逗子には大学時代の友人Tが住んでいる。この日は仲間5人が久しぶりに集まって昼から旨い魚を食おうということになっていた。2日前、元勤務先の先輩が亡くなったと知らせを受け、この日が通夜になった。どちらも欠席できない(したくない)。というわけで、浦和から湘南新宿ラインで逗子に行って喪服姿で海岸を歩き(ネクタイははずしたが)、昼から元魚屋が経営する料理屋で酒を飲み、都内に戻って夜は通夜という忙しい1日になった。


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