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July 08, 2012

『プレイ 獲物』 走るというアクション

La_proie
La Proie(film review)

『プレイ 獲物(原題:La Proie。餌食といった意味)』の主人公・フランク(アルベール・デュポンテル)はとにかくよく走る。デイパックを背負い、ぎくしゃくした3流ランナーみたいなフォームで腕を大きく振りながら、追っ手から逃げる。逃げながら、ひとりの男を追う。フランクを追うのは女性刑事・クレール(アリス・タグリオーニ)、フランクが追うのは妻を殺し娘を誘拐したモレル(ステファン・デバク)。

銀行強盗で捕まったフランクと仲間は服役中だが、刑務所内で仲間割れを起こす。フランクは妻と娘を守るために、冤罪で釈放される同房のモレルに伝言を託す。ところがモレルは冤罪ではなく、若い女性を狙う性犯罪者だったことが分かる。妻と娘の身を案じたモレルは刑務所を脱獄するが、妻は殺され、娘は行方不明になっていた……。

ひと昔前、『ラン・ローラ・ラン』という主人公が初めから終わりまで走っている映画があったけど、フランクもそれに劣らずよく走る。自宅に戻った彼は妻と娘がいなくなっているのに愕然とするが、張り込んでいたクレールら警察と鉢合わせして、フランクが逃げはじめる。途中から高速道路に入り、逆走してくる車を次々にかわしながら走り、陸橋下を走る列車に飛び移る。VFXではなく、アルベール・デュポンテルとアリス・タグリオーニ(無論スタントだろうけど)が体を張ってるのがすごい。

モレルを追う元憲兵の家を訪ねて警官に包囲されたフランクは、クレールに「俺は嵌められた」(フランクはモレルの犯した犯罪の容疑もかけられている)と言い残して、また走って逃げる。

モレルは清純派好みで、好みのティーンエイジャーとすれ違うときらりと目を光らせる。実はモレルの女房も犯罪に加担していて、「あの娘はだめよ」なんて夫をたしなめる。誘拐したフランクの娘もいかにもモレル好みのかわいい女の子で、彼がいつ女の子に牙を剥くのか、見る者を心配させる。モレルを演ずるステファン・デバクが、普通の眼鏡をかけ、おとなしい服装で小市民然とした異常者を演じているけれど、出番があまり多くないのが残念。普通の夫婦の異常ぶりをたっぷり見たかったなあ。

最後、娘を連れたモレルと、モレルを追うフランクと、フランクを追うクレールが、崖の上で出会う。そこから先の展開、予想がついてしまうのがちょっとね。

サスペンス映画として考えれば、モレルがどんなふうにフランクの妻を殺し娘を誘拐したのか、そっちをちゃんと描くほうが、追うフランクとの対比で緊張感が出たと思うんだけど、監督のエリック・ヴァレットはそれよりフランクが走りに走るアクションにいちばんの興味があったみたいだ。その意味でこれはスリラーというよりアクション映画と呼ぶのがふさわしい。

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Comments

>そこから先の展開、予想がついてしまうのがちょっとね。
そう、ちょっとね・・・。
最後の最後も、むむむ・・・。 まあ、それはそれでいいのかもしれませんけど。
アクションに走るよりも、狂気をもっと出してもよかったような気もしました。せっかくのモレルの妻なのに。。

Posted by: rose_chocolat | July 08, 2012 at 05:42 PM

モレルと妻がフランクの娘に対して本性をむき出して……なんて展開になったら怖そうです。ナターシャ・レニエは魅力あるし、キャリアのある女優さんだから、そのくらい見せ場があってもいいですよね。

Posted by: 雄 | July 08, 2012 at 10:32 PM

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