二つの石川真生写真展
Ishikawa Mao photo exhibition "A Port Town Elegy"
沖縄生まれ、1970年代から沖縄を撮りつづけている石川真生の写真展をふたつ、新宿で見た。
ひとつは「港町エレジー」(~2月17日、新宿・フォトグラファーズ・ギャラリー、写真上)。港町の廃屋(通称「幽霊屋敷」)に男たちが集まってくる。ウミンチュ(漁師)、港湾労働者、失業者、ホームレス……。男たちが集まれば、当然酒盛り。時にはケンカ。酔いつぶれた男。裸の男。シンクをトイレにしている男。詫びを入れている男。コンテナを住まいにしている男。一張羅で決めたスキンヘッドの男。濃くて怪しい空気が、懐かしいような。その昔の若衆宿って、こんなんだったのかもしれないな。
1991年に沖縄で出版された同名の写真集も置いてあった。印刷のせいか、時代のせいか、ざらざらした感触だけど、今回の写真展のプリントは優しく、美しい。石川真生の男たちへの愛を感ずる。
もうひとつは「FENCES,OKINAWA」(~2月13日。新宿ニコンサロン)。こちらは石川真生のメイン・テーマである「基地と沖縄」。基地とともに生きざるをえない沖縄の日々。1980年代からの作品を集大成した同名の写真集からセレクトされている。
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