悩ましい水菜
畑の水菜が芽を出し、大きくなってきた。福島原発の事故がまだ進行中なのになんでわざわざ葉もの野菜を、と自分でも思うけど、去年の種が残っていて、もったいなくて蒔いてしまった。
浦和は福島第1原発から約220キロ。さいたま市の5月10日までの空間放射線積算値は90.1マイクロ・シーベルト。このところ放射線の値は平常値に戻っているけれど、雨が降ると増える。このあたりでの土壌についてのデータはないようだ。埼玉県で暫定基準値を超えた野菜は出ていないから、まあいいか、って気分もあった。でも、ここより遠い神奈川でお茶の葉から基準値を超えた放射性物質が検出されたニュースを聞くと心配になる。
まあ、60代は放射能感度が鈍いそうだから、小さな子供たちにさえ食べさせなければいいかと思い、間引きしたのを流水で洗い、パスタの具にして食べた。うまいし、見た目も緑鮮やかで美しい。よく言われることだけど、放射性物質は五感に感じられないからこそ不安感にとらわれる、というのを食べながら実感する。
はらはらしながら見ていた第1原発は大方の不安が的中して、1号機で燃料棒が完全に溶け、圧力容器を突き破って格納容器の底にたまったメルトダウン状態のようだ。2号機、3号機だって、圧力容器の温度が高くなったり高濃度の汚染水が漏れているところを見れば、似たような危機にあることは間違いない。暗然とするしかない。
ゴーヤも芽を出した。他に、きぬさややきゅうり、ハーブ類の種を蒔いたけど、今年の畑は芽が出ても喜び半減で悩ましい。
雨に濡れるしゃくなげの花。
Comments
鎌倉で無農薬食品だけを扱っている女店主が、店でも帽子をかぶりマスクをかけているので「風邪ですか」と聞くと、「いやいや、放射能ですよ。のどがやられて、それでフィルター付のマスクをしています。放射線、来てますよ」と言っていたけれど……。
Posted by: Naoaki Yano | May 13, 2011 11:21 PM
各地の放射線量を見ると、千葉、神奈川の海沿いはけっこう高いようですね。海上の風の影響でしょうか。鎌倉は放射性物質に対して意識の高い人が多いから、きちんと防衛しているのかもしれませんが。
Posted by: 雄 | May 14, 2011 03:17 PM