ハラハラの日々はつづく
article about NRC report of the Fukushima in NYT
庭の海棠。
僕は朝起きてテレビを見る習慣はないけど、原発事故以来、一瞬だけテレビをつけ、画面が緊迫していないかどうかだけ確かめるようになった。報道では高濃度汚染水の回収が始まり、冷却システム回復に向けて「悪いなりに安定している」ように見えるけれど、タービン建屋の高汚染水だけでなく、1号機格納容器の高放射線量、圧力上昇などの数値を見ると、何かが進行しているようにも感じられる。ただ、日本のテレビ・新聞ではそのことに触れたニュースが見つからない。
4月5日のニューヨーク・タイムズが、NRC(米原子力規制委員会)の内部文書に基づいた「原発事故で新たな課題」という記事を載せていたけれど、専門用語が多い長いもので僕の語学力では歯が立たなかった。
その記事の要約がカナダのPeace Philosophy Centreのブログに、「NYT紙に報道された米原子力規制委員会の報告」として研究者のコメントつきで翻訳されている。
それによると、「放射能を帯びた冷却水で一杯になった格納容器にどんどん負担がかかり、余震によって破損しやすい状態になっている。NRC内部文書は、原子炉に注入された海水によって水素と酸素が発生し、格納容器内での爆発の可能性にも触れている」という。また、「炉心の水位はゼロである可能性がある」ため、「どれだけの冷却の効果があるかは不明である」と言う。従って、「本来の冷却システムが機能していない中、水を注入することが長期的に持続可能なものなのか、新たな疑問を投げかけるものである」とも書かれている。
さらにNRCの文書では、水素爆発を起こさないための窒素注入と、再臨界を起こさないための冷却水へのホウ素混入が提案されているが、これがここ数日来、実際にやられていることだろう。
いずれにしても、「悪いなりに安定している」わけでなく、格納容器の破壊という危機と隣り合わせの綱渡りの作業が続いているようだ。まだハラハラする日々は終わらない。
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