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April 08, 2011

東洋のポルトガル?

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庭の木瓜の花。

4年前に退職するとき、1年間、外国で暮らしてみようと思った。どこにするか? それまで訪れたことのある場所から、住んでみたい都市を3つに絞った。ニューヨーク、リスボン、ホーチミン。結局は言葉の問題もあってニューヨークにしたけれど、歴史が凍ったようなリスボンや、明るいエネルギーに満ちたホーチミンにも心が残った。

そのリスボンを首都とするポルトガルという文字に、1日で2度出会った。

ひとつは、ポルトガルがEUに金融支援を要請したというニュース。財政危機から国債価格が下落し、自力で資金を調達できなくなった。

もうひとつは、イギリス近代史を専門とする歴史学者・川北稔のインタビュー(朝日新聞、4月7日付)。見出しは「3.11に砕かれた近代の成長信仰 復興は必ずできる 東洋のポルトガル それも悪くない」。

川北さんは、16世紀の西欧で生まれた近代の世界システムの先頭を切ったのはポルトガルとスペインだったが、やがてオランダやイギリスに抜かれた、21世紀に世界システムの中心はアメリカから東アジアに移ろうとしているが、20世紀に東アジアの先頭を切った日本は、「東洋のポルトガル」になるのだろうか、と問う。

さらに川北さんは、「東洋のポルトガル」が不幸かというと、必ずしもそうではない、江戸時代まで戻るわけではないから。ただしそれを「安定」と受け取るためには価値観の転換が必要だ、と続けている。

リスボンの夜は、節電で暗くなった東京より、さらに暗かった。その暗い光にぼっと浮かび上がる旧市街アルファマの、なんと魅力的だったことか。それは旅行者の感傷にすぎないけど、そういう世界が来ることを覚悟しなければならない。そのために、価値観とシステムをあらゆる局面で組み替える作業がこれから始まる。


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