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September 22, 2010

箱根・姥子の湯

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箱根には何度か行っているけど、温泉好きに有名な姥子(うばこ)の湯に入ったことはなかった。今回は、それを目的に。

大涌谷でロープウェーを降り、姥子から芦ノ湖へ抜ける自然探勝路を歩く。ロープウェーに姥子駅があるけれど、しばらく歩いてから温泉に入るほうが気持ちいいので。

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木漏れ日の道を30分ほど歩く。コースのほとんどは下りだけど、彼岸というのに真夏日で、汗だく。

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大涌谷は観光客でいっぱいだったけど(外国人も多い)、探勝路に入ると人影もまばら。

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大涌谷周辺は古くから山岳修験の霊場で、姥子の湯は修験者の霊泉とされていた。江戸時代には箱根権現の社領になっている。湯に近づくと、ここより結界という表示がある。湯の裏に薬師堂と姥子堂があり、巨岩の下には石仏群がある。

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姥子の湯には秀明館という旅館が1軒だけある。建物は大正時代のもの。内部はきれいに改修されて日帰り営業になっており、部屋を4時間ほど借りられる。連休の谷間とはいえ、僕以外に訪れていたのは4組。

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(「湯治郷の瓦版」52号から男湯)

霊泉だからだろう、撮影を許されないので、現在この湯を守っている湯治郷のパンフレットを複写。

赤錆色の岩盤から湯が浸みだしている。箱根の温泉は乳白色の湯が多いけど、ここは無色透明。雨水が地中に浸みこみ、火山の熱に熱せられて温泉として湧出してくる。だから雨が少ない冬には温泉が出ないこともある。この日も、お湯はちょろちょろ。

しめ縄が張られた源泉は48度と熱い。竹で結界された源泉の手前にぬるくした湯船が2つあり、そこに浸かる。眼病にきく明礬泉で、口に含むと少ししょっぱい。さらさらした湯につかり、裸電球に照らされた薄暗い霊泉をながめていると、温泉のもつ魔力のようなものを感ずる。

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姥子の湯は湯治場として続いてきた。湯治棟には自炊のための竈が残っている。

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