鉛筆の力
(Violoncello piccolo da spalla #1, 2010。案内パンフレットから)
去年知り合った画家、寺崎百合子さんの個展「音楽」に行く(5月29日まで。銀座・ギャラリー小柳)。
寺崎さんがどんな絵を描くかも知らずに一緒にお花見をしたり、著書(『英国オックスフォードで学ぶということ』)を拝見したりしていたけれど、会場にあったのは思いがけない鉛筆画だった。
この世界に疎い私は鉛筆はデッサンやスケッチに使うものとばかり思っていたが、なんとも濃密な世界が立ちあがっているのにびっくり。作品に目を近づけると、寺崎さんの「手の技」がくっきり見える。
バイオリンやチェロやパイプオルガンから生まれた音が、そのまま「もの」として凝固し画面に結晶している。そんな印象を受けた。
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