京都ぶらぶら歩き
仕事で大阪に行ったので、翌日の日曜、京都へ。1日、ぶらぶら歩きを楽しんだ。
朝は太秦の広隆寺へ。冷たい雨が降りはじめ、境内に人影は少ない。弥勒菩薩のアルカイック・スマイルに対面するのは20年ぶりくらいかな。
最近、十一面観音に興味があり、機会があれば見るようにしている。湖北の渡岸寺や山城の観音寺のように、表情や立ち姿が女性的な十一面観音が多いなかで、広隆寺の観音(藤原期)はすっくと立って、やや男性的。
路面電車の嵐電から阪急に乗り継ぎ、河原町から五条坂まで歩いて河井寛次郎記念館へ。京都にいて、時間が空いたときにときどき来る。ここはいつ来ても、町なかにあるとは信じられない静けさがいい。
河井寛次郎が自ら設計し、すみずみまで自分の好みを貫いた民家。彼が日常使っていたテーブルや机に触れ、座ることができるのが素敵だ。
陶房。使っていた蹴ろくろが見える。右奥に円空仏。
作品がたくさん展示されているのも嬉しい。展示されているだけでなく、寛次郎がつくったらしい大壷が、庭の片隅に無造作にころがされている。
登り窯。最初にここへ来たとき、こんな町なかに登り窯があるのに驚いた。
登り窯の壁。
床の間には自筆の軸。「非草非人非木」とある。「草冠」と「人」と「木」を合わせると「茶」。「茶に非ず」。寛次郎は型にとらわれた茶の湯を好まなかった。
30年来の知人、京の町屋に住むIさん宅を訪れる。玄関を開けると、いきなり三味線の音。若い舞子さんがIさんに稽古をつけてもらっていた。自主映画製作などにかかわってきたIさんは表立って師匠の看板を掲げているわけではなさそうだけど、小さいころから三味線に親しんでいる腕前。こういう光景に不意打ちのように出会えるのも京都だなあ。
稽古が終わり、3人でお茶を飲みながら歓談。舞子さんは宮川町のふく恵さん。17歳。来月には18歳になるので、この可愛い髪型は今日限りなんだって。明日には、ぐっと大人っぽくなるんだろうな。
Comments
畑です。写真が奇麗で楽しく見ています。河井寛次郎記念館、一昨年私も行きました。3回目でしたが、あまり人がいず、静かで嬉しい場所ですね。私の記憶には残ってないのですが、障子窓に映った模様が着物の柄のようで美しいですね。猫のシマちゃんには会いましたか。私が行った日はとても寒かったので、ファンヒーターの前で昼寝をしていました。
京都へ、また行くぞ、と去年も思っていたのですが果たせずじまいでした。
Posted by: Hata Michiko | February 19, 2010 03:36 PM
こんにちは。本当にここは町なかとは思えない静けさで落ち着きますね。寛次郎の椅子にしばらく座っていると、日常からふっと遠ざかることができるような気がします。僕が行ったとき、残念ながらシマちゃんはいませんでしたが。
Posted by: 雄 | February 20, 2010 01:41 PM