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February 14, 2010

粋な小村雪岱ワールド

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わが家から歩いて10分ほどのところに埼玉県立近代美術館がある。ときどき面白い企画展をやるので、ふらりと出かけることがある。いまやっているのは、「小村雪岱(せったい)とその時代」。

埼玉県川越出身の小村は、東京美術学校(現・東京芸術大学)に学んだ日本画家。大正から昭和前期にかけて、資生堂意匠部に勤め、挿絵画家、装丁家、舞台装置家として名をなした。日本画(浮世絵)の伝統とモダン・デザインが融けあったその世界は、粋という言葉がぴったり。

小村は香水の瓶のデザインや、単行本・雑誌の挿画・装丁、舞台装置といった境界領域での仕事が多かった。「昭和の春信」と呼ばれるきっかけになった「おせん」挿画、色気が匂いたつ「刺青のお伝」挿画、静謐な空気を湛えた「青柳」「落葉」「雪の朝」の連作。どれも見ていて、いい気分になってくる。

なかでも小生には仕事柄、小村が描き、造本した装丁家としての仕事が興味深かった。口絵に和紙の木版画をはさみこんだり、見返し全面にモダン浮世絵ふうな木版風景画を刷ったり、本が大量印刷でなく手仕事の工芸品に近かった時代の、モノとしての存在感が素晴らしい。

本がデジタルなデータになりつつある時代に、モノとしての本の魅力をどうつくっていくのか。考えさせられるな。


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