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January 19, 2010

ソウルの旅(3)

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奉天洞(ポンチャンドン)からは地下鉄・ソウル大入口に出て2号線に乗り、三成(サムソン)駅で降りた。江南(カンナム)駅からこのあたりにかけて、最近20年ほどで開発された漢江(ハンガン)南岸の新興繁華街だ。

三成駅の周辺には、高層のオフィス・ビルやホテルがいくつも建っている。目的は、そうしたビルのひとつ「コエックス・モール」(上の写真)。ショッピング・センターやデパート、水族館、シネコンが入ったアミューズメント・センターだ。

ショッピング・センターには大きなCDショップが入っている。そこへ行きたいというのが同行の音楽家、O君の希望だった。彼は以前にもこの店に来たことがある。

店を見つけると、O君は他に目もくれずK-popのコーナーに張りついたきりになった。彼はジャンルとしてはクラシックの作曲家だけど、ロック・グループでピアノを弾いたこともあり、今はK-popに入れ込んでいる。

O君は、女性歌手のキム・ウナ、waxのCDと、「ジャケ買い」で7、8枚買い込んだ。僕も経験があるけど、リスクの大きい「ジャケ買い」で当たりだったときの喜びは大きい。

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僕が買ったのは2枚。1枚はO君のお勧めで、ジャウリムというロック・グループの「ashes to ashes」。彼が買ったキム・ウナは、もともとジャウリムのリード・ヴォーカルなんですね。

「ashes to ashes」とは「灰は灰に」、キリスト教で死者を埋葬するときの祈祷の言葉だ。そのタイトルや黒いジャケット(上の写真の右)からも想像できるように、明るくダンサブルな音楽じゃなく、暗く、重い。ささやくように始まるブルージーな「seoul blues」。印象的なメロディが繰り返される「loving memory」。アルバムでいちばんポップな曲「you and me」には奇妙な魅力がある。「OH! MAMA」はジョン・レノンみたい。

いずれもキム・ウナの作詞作曲。他の曲もメンバーのオリジナルだ。僕はロックに詳しくないけど、ジャンル分けするならプログレッシブということになるのかな。

買ったもう1枚は、李美子(イ・ミジャ)の2枚組ベスト(上の写真の左)。李美子は「韓国の美空ひばり」と呼ばれた、韓国歌謡を代表する歌手だ。30年前に福岡のショーに来日すると聞いて、インタビューに出かけたことがある。

もう活動していないのかと思ったら、デビュー50周年を記念するCDボックスが出ていた。買ったのはそれとは別で、1曲目に僕のいちばん好きな「冬栢(トンベ)アガシ」が入っている。この曲、レコードで持っていたけどプレイヤーをしまいこんでしまったので、すぐに聞くことができない。

「冬栢アガシ」は、ゆったりと、悲しい恋唄。美空ひばりでいえば「哀愁波止場」に当たるかな。「真っ赤な太陽」から「川の流れのように」まで、いろんな曲を歌うひばりの幅はないけど、歌に込める感情の深さはひばり以上だと僕は思っている。なかでも「冬栢アガシ」は何度聞いても素晴らしい。この歌は発表当時、「倭色」、日本風だということで歌唱禁止曲になったことがある。

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ふたたび地下鉄に乗り、ホテルのある乙支路(ウルチロ)4街へ。これで外環状線の2号線を一周したことになる。山手線や大江戸線より大きな環状線で、ひとまわり乗っても4000ウォン(320円。2000ウォンと書いたけど、N君の指摘を受けて訂正しました)。環状線を一周し、Suicaに相当するTマネーカードの使い方もマスターして、同行のN君は興奮している。彼は東京の地下鉄全駅の全階段踏破をめざす「地下鉄巡礼団」の副団長なのだ。

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夕飯は鐘路と乙支路の間にある広蔵市場(クァンジャン・シジャン)に行くことにした。有名な南大門や東大門の市場には行ったことがあるし、ここならホテルから歩いて10分とかからない。

広蔵市場は1905年に常設市場として開かれた古い市場だ。衣料品、海産物、肉、干物、漬物と、日々の生活に必要なものなら何でも売っている。暗くなると、通路にずらりと屋台が店開きする。

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「ここにしよう」と決めて座ったのは魚介の屋台。韓国焼酎チャミスルを頼むと、お通しにアワビが出てきてびっくり。刺身はそのアワビに、ツブ貝、白身、赤身、タコなどを皿いっぱいに盛り合わせて2万ウォン(1600円)。アーケードはあるにしても寒いんじゃないかと思ったら、ベンチは電気毛布(?)で暖房してあり、ぽかぽか。ひとりで切り盛りしている、若く素敵なオモニ(お母さん)が膝かけも貸してくれた。

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鍋に盛られた具。

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トウガラシの粉。

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もう一軒行こうよ、と座ったのがチジミやピンデトック(お焼き)の店。こちらは元気のいいお母ちゃんがやってます。焼酎よりマッコリを飲んでる人が多い。山盛りのピンデトックやチジミで一皿5000ウォン(400円)。魚介や肉の屋台よりこちらのほうが人が多いのはなんでかと思ったら、安いんですね。1人8000ウォン(640円)もあれば、たっぷり食べて酔っぱらえます。

「東京にこんなのがあったら毎日来ちゃうな」とN君。大満足でホテルまでそぞろ歩いた夜でした。

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Comments

真冬の韓国旅行、寒そう、美味しそう、楽しそうです!

韓流ドラマ以来、何かと身近に感じられるお隣さんですが、この記事を読むと、こと「食」に関する限り、日本より豊かな気がしますね。

Posted by: アユぼー | January 19, 2010 at 06:04 PM

本当にその通りで、寒くて、でも美味しくて、楽しくて。「食」は日本より安く、豊かでした。スーパーマーケットがなく、市場が昔と変わらずに生き生きしてるからじゃないでしょうか。

Posted by: | January 20, 2010 at 12:05 PM

たびたび申し訳ないが、
もう一度修正してください。

私も勘違いしていたけど、
400ウォン(320円)→4000ウォン(320円)
が正解です。

Posted by: N君 | January 21, 2010 at 02:29 PM

ありがとう。つい、うっかりしてた。10000ウォン札がどんどんなくなっていくのに慣れはじめてたから、戻って金銭感覚がちょっとおかしかった。300円?(タリーズのカプチーノ)、大したことないな、なんて。

Posted by: | January 22, 2010 at 11:47 AM

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