上海の旅(2) 古い街
前日に行った外灘(バンド)から南へ行ったところに、山手線のようにぐるりと回る中華路・人民路という道路がある。この道には、かつて城壁が巡っていた。上海が城郭都市だったころの名残りというわけだ。
(The walled city of Shanghai during the Ming Dynasty, from Wikipedia)
城壁は明代の1554年、倭寇から町を守るために建設された。城壁の高さ10メートル、周囲5キロ。だから円形の中華路・人民路の内側がいちばん古い上海ということになる。そこを歩いてみた。旧城内には観光スポットとして有名な豫園もある。
地下鉄2号線の大世界駅から東に5分ほど歩くと中華路・人民路にぶつかり、そこに大境閣古城壁がある。大境閣古城壁は、明代の城壁が唯一ここだけ残っている場所だ。うーん、ずいぶん立派な城壁と門。明代の豊かさがうかがわれる。
古城壁脇の大境路を行くと塀に仕切られた空地があり、パンツ一丁のおじいさんが歩いている(最初の写真)。このあたりは庶民の町なんだ。先に商店街が見えてくる。
大境路の商店街。こういう場所へくるとなぜか心が弾んでくる。
八百屋、魚屋、食べ物屋、雑貨屋、日々の生活に必要な店が並んでいる。
路上の靴修理。
ロースト・ダックの店。正面には客が何人も並んでいた。
路地の向こうに豫園が見えてきた。
江南の古典庭園と言われる豫園は、観光客が必ず訪れるスポット。周囲は再開発され、豫園商城と呼ばれるショッピング・モールになっている。
28年前に来たときは、こんなに整備されていなかった。庭の周囲には雑然とした店が密集し、戦前、犯罪や阿片窟がはびこって魔窟と呼ばれたころの面影をとどめていた。今はすっかり東映映画村状態になっている。
清朝の覗き眼鏡を再現した見世物をやっていた。
豫園の南に上海老街と呼ばれる通りが走っている。古い商店建築と、それを模した新しい建築でオールド上海を再現した商店街。土産物屋、お茶屋、茶館、骨董品店なんかが並んでいる。
そのなかの1軒、老上海茶館で一休み。壁には古い地図やポスター、レコード盤がかけられている。
茶館の窓から外の上海老街を見る。古い商家を改築中だ。
観光スポットを離れ、再び古い街へ。くねくねとくねる細い道、金家坊を迷いながら老西門を目指して歩く。
戦後、いやひょっとしたら戦前の建築だろうか。長屋ふうな小さな家屋が密集している。昔ながらの街。といってもエアコンの室外機がついている家も多い。
頭髪を洗っていたおばさん。
デッキチェアでお菓子を食べていた子。
足場は昔ながらの竹で組まれていた。
よく見ると凝った装飾。
路地の向こうに再開発されたビルが見えてきた。旧城内でも、こういう密集した地域が取り壊され、高層アパートに建て替えられているところも多い。ここも同じ運命にあるんだろうか。
Comments
以前よくこの辺で大きな鉄鍋で大量に焼く、焼き小龍包をパクつきました。召し上がりましたか?
Posted by: yucca | August 27, 2009 05:21 PM
残念ながら豫園で普通の小籠包を食べてしまい、焼き小籠包は食べそこねました。日本や台湾の小籠包に比べると皮が厚く、餡もみっちり詰まって腹持ちしますね。
Posted by: 雄 | August 28, 2009 11:47 AM