NY日記 6
もぐりの「ホテル」に滞在している間、朝食は近くのデリを利用していた。斜め向かいに1軒、3軒隣りに1軒と、2軒のデリがあり、その日の気分でどちらかに行く。
3軒隣りのデリはスペイン系の親子がやっている。狭いけれどよく繁盛していて、朝など近所の人や近くの工事現場の労働者、警官まで次々にやってきてサンドイッチを注文している。僕もハムサンドイッチやマカロニサラダをテイクアウトしたけど、まずまずの味。親子ともう1人、サンドイッチをつくる店員の3人が客と大声でやりとりしながら、てきぱき客をさばいている。ここは日用品も置いてあって、コンビニも兼ねている。
斜め向かいのデリは24時間営業で中東系の親子がやっている。だから普通のサンドイッチのメニューのほかに、ケバブーなども置いてある。僕は朝から肉を食べる気になれず、チーズオムレツ、ベークド・ポテトをテイクアウトした。スペイン系の店もそうだけど、量はたっぷりで朝に食べきれず、たいてい半分は昼に残す。空腹で「ホテル」に戻り、深夜にビーフシチューをカウンターで食べたこともあるが、独特の香料を使っているらしく、なにを頼んでもケバブーみたいな味がする。
この店にはテーブルが2つとカウンターがある。スペイン系の店ほどに客は多くなく、常連がたむろしている感じだ。2度ほどレジで十数枚の10ドル札をやりとりしているのに出くわしたから、なにかギャンブルの窓口になっているのかもしれない。深夜は隣のガソリン・スタンドに来たイエロー・キャブの運転手がやってくる。だからもう一軒のデリとは、時間帯と客層をきちんと棲み分けているようだ。
レジにいるここの息子の英語が早口で口のなかでごにょごにょ言っていて、まったく聞き取れない。奥でおやじにつくってもらったサンドイッチの値段を客が申告するんだけど、僕がよくわからないでいると、つっけんどんな顔で奥のおやじに聞いている。おやじは丸っこい顔の、ごついなりに愛嬌のある男で、痩せて突っ張ってる感じの息子との取り合わせがおかしい。
深夜、眠れずに窓の外をながめると、向かいのガソリン・スタンドとこのデリに灯りがともっていて、ああまだあのおやじか無愛想な息子がいるんだなと、少しだけ心がなごむ。
Comments
写真がないのが残念だね。
EOS系のUSBケーブルだったら、大きなパソコンショップで買えるはずだけれど。
ノートパソコンに取り込めなかったらメモリもいっぱいになってきているのでは?
ところでいつ帰るの?
Posted by: TAKAMI Toshio | August 03, 2007 01:34 PM
4日夜に帰ってきた。NYも暑いけど、東京も暑いね。できるだけ早く写真をアップするつもり。
Posted by: 雄 | August 05, 2007 01:18 PM