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July 02, 2007

追悼 エドワード・ヤン

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エドワード・ヤンが亡くなった。59歳。結腸ガンの合併症だったという。

『ヤンヤン 夏の想い出』(2000)以来、新作の噂が聞こえてこなかったから、台湾の監督はホウ・シャオシェンも同じだけど、資金集めに苦労してるんだろうなあと思ってたら、ガンだったとは。早すぎる死、同世代としては辛い。

エドワード・ヤンは1986年につくった『恐怖分子』がカンヌ映画祭で評判になり、ホウ・シャオシェンと並ぶ「台湾ニュー・ウェーブ」の旗手になった。80年代から90年代前半にかけて、ヤンが『クーリンチェ少年殺人事件』『エドワード・ヤンの恋愛時代』、ホウ・シャオシェンが『童年往事』『悲情城市』など競うように傑作をつくって世界中の映画祭の賞をさらった時代が懐かしい。

台湾で青春アイドル映画をつくっていたホウ・シャオシェンにとって、アメリカで映画を学んで帰国し、斬新な手法で都会的な映画をつくったエドワード・ヤンはライバル以上の大きな刺激だったろう。特にしゃれた現代劇については、エドワード・ヤンはいつもホウ・シャオシェンに先行していた。

ただその後、ホウ・シャオシェンが自分のスタイルを純化させて、少数のファンはともかく大量の観客動員はむずかしい場所に突っ込んでいったのに対し、ヤンの最後の作品『ヤンヤン 夏の想い出』は、ホウ・シャオシェンの初期の佳作『冬冬の夏休み』にも似て、素直でほのぼのとした作品に仕上がっていたのが印象的だった。

対照的な2人の足跡。中国のチャン・イーモウのように、エドワード・ヤンもやがて台湾の「国民的映画」をつくる「国民的監督」になるのかと期待していたのだけど。もう彼の映画が見られないのかと思うと寂しい。

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Comments

トラックバックさせていただきました。「ヤンヤン~」以降、噂を聞かなかったもんで、どうしたのかと思ってたら、闘病なさってたようですね。

Posted by: マル季 | July 02, 2007 at 11:59 AM

そうでしたか!こちらの記事で初めて知りました。
まだ初々しいチャン・チェンの切なく痛い初恋「クーリンチェ少年殺人事件」を つい最近ようやく観たばかりでした。 その時に私の大好きなホウ・シャオシェン監督はかなり「影響を受けていたのだな」と気が付いたところです。 惜しいですね まだまだ良い作品を沢山撮って欲しかったです。
合掌。

Posted by: マダムS | July 03, 2007 at 08:15 PM

>マル季さま

ホウ・シャオシェンが次々に新作を撮っているのに、エドワード・ヤンはどうしたんだろうと、私もずっと気にかかっていました。亡くなったのはアメリカだそうですから、あちらの病院に入っていたのでしょうね。

>マダムSさま

これは僕の想像ですが、ホウ・シャオシェンはエドワード・ヤンのしゃれた軽いタッチに「敵わんなあ」と感じていたのではないでしょうか。ホウ・シャオシェンの都会劇にはたいていガオ・ジェみたいなやくざっぽい男が登場して、彼の資質はどうもそっちのほうだという気がします。

Posted by: | July 03, 2007 at 10:18 PM

そうかもしれませんね、ホウ監督ご自身そのような事を仰っていたような記憶があります。
私の方も記事を書きましたので、改めてTBさせて頂きました。

Posted by: マダムS | July 04, 2007 at 10:18 PM

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