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February 08, 2006

セルタブの「エスニックR&B」

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アラブ・ポップスを聴いているのは前にも書いたことがある。(05年1月15日)。今度買ったのはアラブではないけど、同じイスラム圏トルコの歌手、セルタブの「No Boundaries」(SONY)。

タイトルが英語であることや、制作会社がソニーであることから分かるように、トルコ国内ではなく国際マーケット向けのアルバム。一昨年発売され、韓国映画『箪笥』のイメージ・ソングとしてCMにも使われたらしいけど、知らなかった。

セルタブ自身がこのアルバムの音を「エスニックR&B」と言ってるように、西洋音楽とトルコ民族音楽のチャンポン。曲によって、欧米のポップスふうなメロディーに民族楽器(サズ、ウード、ドラム等)の音とビートを乗せたものもあれば、民謡に近いメロディをやはり民族楽器でダンサブルなR&Bに仕立てたのもある。メローなバラードもある。

彼女自身の歌い方も、ポップスふうあり、こぶしをきかせたものあり、部分的にクラシックの発声をしてるのもある。時には堂々と歌いあげ、時にはひどく色っぽくと、トルコのディーヴァと言われるだけのことはある。

歌詞はすべて英語。曲づくりには、ブリトニー・スピアーズに曲を提供しているピーター・クヴィントはじめ、フランス、インドネシアなどいくつもの国のミュージシャンがかかわっている。だからトルコ・ポップスといっても、トルコ人以外にも聴きやすい味付けがされているんだろう。

もっとも、欧米人(日本人も)が「トルコ的」と感ずるエキゾチシズムを意図的に狙った「逆オリエンタリズム」の気配もあるかもしれない。そのあたりは、他にトルコ・ポップスを聴いてないのでよく分からない。

ま、そんな難しいことは考えなくても、歯切れ良く浮き浮きしてくるようなリズムは休日の朝、食事の支度をしたり、部屋の片づけをしたりしながら聴くのに最適。カミさんの家事専用BGMと化しているナワール・エル・ズグビー(レバノン・ポップス)とともに、最近の「元気モード」用の音楽はこれ。


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