追悼・本田竹曠
ジャズ・ピアニストの本田竹曠が死んだ。1997年に脳内出血で半身不随になった後、リバビリして復帰し演奏活動をつづけていた。60歳。ということは、僕より2歳上でしかない。70年代に何度かライブを聴いていたころ、本田はまだ20歳代半ばだったんだなあ。髭をはやした風貌から、もっとずっと年上だと思ってた。
そのころの本田はファンキーでソウルフルな音をたたきだし、日本でいちばんの、いわゆるクロッぽいピアニストだった。フリー系の山下洋輔やバラードが泣かせる菊池雅章と並ぶ人気者。僕は山下洋輔トリオを聴きにいくことが多かったが、たまに本田のピアノを聴くと楽しくて身体がひとりでに弾みだした。
何年か在籍したナベサダ・カルテットもよかったけど、印象に残るのは鈴木良雄(b)、日野元彦(ds)とのトリオ。写真は3人が久しぶりに顔を合わせてつくった「バック・オン・マイ・フィンガーズ」(FUN HOUSE・1990)のジャケット。右が本田で左(訂正。コメント参照)が日野(彼も死んでしまった)。改めて聴くとタッチの力強さは70年代と変わらないし、バラードもいい。
復帰後の演奏に接する機会はなかったけど、一度、聴いてみたかった。今日は一日、このアルバムをかけて冥福を祈ろう。
Comments
中央は鈴木良雄、左が日野元彦ではないでしょうか。
Posted by: aki | January 20, 2006 10:13 PM
その通りです。左が日野元彦でした。もうずいぶん前ですが、六本木のアルフィーで大西順子のライブに飛び入り演奏したのが日野元彦を聴いた最後になりました。ご指摘ありがとうございます。
Posted by: 雄 | January 21, 2006 01:15 PM