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December 20, 2005

マッコイ・タイナーに陶酔

青山ブルーノートでジャズのライブを聴いていつも感ずるのは、演奏時間が1時間ちょっとで短いこと。ミュージシャンも聴くほうも調子が出てきて、さあこれからというところで終わってしまい、いつも欲求不満がつのる。

でも今回は同じ時間、しかもアンコールもなかったのに大満足。マッコイ・タイナー(p)、チャーネット・モフェット(b)、ジェフ・ワッツ(ds・訂正。コメント参照)のトリオがものすごいテンションで70分を駆け抜けた。これだけの演奏をした67歳のマッコイにアンコールを求めるのは酷だねと、客もみんな納得していた(12月15日、2ndセット)。

マッコイのオリジナルをはじめ、コルトレーンと演奏した曲(タイトル思い出せない)、古いブルース、ゴスペル調の曲など7曲。

10年前に聴いたときは、マッコイらしいものすごい早弾きで曲の最初から最後まで飛ばしまくっていた。今回は早いタッチで高音を連ねていく(コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」に対応した)スピードに衰えはないものの、途中でゆったりしたソロも聴かせる。それがまたいい。

特に、最後に演奏したオリジナルの「パッション・ダンス」。3人のインタープレイが素晴らしかった。ふつう、テーマの演奏が終わると、1人がソロを取って他のメンバーはサポートに回り、次々にソロを受け渡していく。でもこのトリオはソロとサポートという役割分担をあいまいにして常に3人が一体になって音楽をつくっている。そのなかで、まずマッコイが次いでモフェットが、そしてワッツが主導権を握りながら対話がつづいてゆく。

マッコイはもちろん、モフェットのベースがすごい。音の良さ、乗りの良さ、ものすごいテクニック。加えて、ワッツの踊るようなリズム感。ここにこういう音がほしいなというところに、ボボボン、ズシンと入ってくる。その快感。3人が織りなす音の世界にエクスタシーを感じてしまった。今年聴いた、屈指のライブ。

この3人、レギュラー・バンドではなく臨時編成らしいが(特にワッツは来日直前に代役に立った)、マエストロ3人が組んだこのトリオのアルバムを聴いてみたいな。

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Comments

チャーネット・モフェットはデビュー当時から怪物じみていましたけど、チャーリー・ワッツ! .....出ていたのですか。
そういえばマッコイ・タイナーはクラシック演ったりしていますよね。久しぶりに聴いてみます。

Posted by: kiku | December 21, 2005 at 12:01 AM

スケジュールには知らない名前が出ていたんですが、予約を入れたら、「ワッツに代わりますのでご了承を」と言われ、ヤッター! でした。

数年前、味の素スタジアムのジャズ・フェスに行ったら、ダイアナ・クラールが風邪で来られず、代わりがチャカ・カーンでした。チャカの出番になったら、バックがなんとプロデューサーを兼ねていたハービー・ハンコックのトリオ! ハンコックのスタンダードを堪能して、風邪引いたダイアナに感謝! でした。 

Posted by: | December 22, 2005 at 03:07 PM

たびたびすみません。
チャーリー・ワッツってローリング・ストーンズの?
それはすごい!
でも、ジェフ"テイン"ワッツではないでしょうか。

Posted by: aki | January 20, 2006 at 10:20 PM

こちらもご指摘の通り、ストーンズのチャーリー・ワッツじゃなく、マルサリスやマイケル・ブレッカーと一緒にやってるジェフ・ワッツです。同じワッツでうっかりしました。書いてるとき、なんか変な違和感があったんですが、年ですかね。重ね重ねありがとうございます。

Posted by: | January 21, 2006 at 01:27 PM

マッコイつながりでTBさせていただきます。
私も、マッコイ・タイナーがブルーノート東京に来るって知ったときに、聴きたい!寛恕が揺さぶられましたが、何せ、チケットの数倍の旅費がかかるので泣く泣く諦めました。
うらやましいですね。

Posted by: kumac | February 19, 2006 at 08:31 AM

ブルーノート東京はいろいろ不満はあるにせよ、これだけの面子を呼べるジャズ・クラブは他にありませんから、つい行きたくなってしまいますね。

歳のせいか、最近は初期のマッコイ(「プレイズ・エリントン」とか)を聴くことが多くなっています。

Posted by: | February 20, 2006 at 05:10 PM

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